「ボタニカル派」と「アンチボタニカル派」
シャンプー・リンスのカテゴリーですっかりお馴染みになったのが「ボタニカル(=植物の、植物由来の)」。I-ne(大阪市)が販売するシャンプー・リンスのブランド「ボタニスト」の一大ブームを受け、各メーカーもこぞってボタニカルヘアケア商品を上市している。
同社は東京・表参道にボタニストの世界観を体感できるフラッグシップショップを構えている。1Fはセレクトショップで、2Fがカフェ。カフェではスムージー、ブッダボウル、スムージーボウル、豆腐サラダ、アボガドトーストなど“ボタニカルな”ヘルシーメニューを提供する。
そんなボタニカルな商品や世界観に惹かれる女性が多い一方で、最近よく聞かれるのが次のような意見(花王ヘアケア事業部シニアマーケターの仲田実沙希氏へのインタビュー)。
仲田氏は、「ボタニカルやノンシリコン一辺倒で、どの商品も同じに見える、選ぶのが楽しくない、という声が多かった」と、ヘアケア市場が抱えていた課題を明かす。(引用:日経クロストレンド「花王の新シャンプー&トリートメントは強気の高価格 香りの組み合わせで“自己実現女子”狙う」)
そこで、花王が5月に新発売するのが感性科学(※)に基づいて開発したヘアケアブランド「and and(アンドアンド)」。気分・香り・デザインを自由に組み合わせることができ、3種のシャンプーと3種のトリートメントにより全9通りの組み合わせを楽しめる。ファッション、コスメ、ネイルなど、自分好みにぴったり合うものを選びたいという志向が高まっていることを背景に、ヘアケア商品も自分にぴったりのものを選べるようにしたとのこと。(※)花王は、2004年から人の快適感を感性科学の実験手法で研究を続けている
おもしろいのは、各ネーミング。各ボトルは「気ままに」「静かに」「ゆったりと」「はしゃぐ」「思いたつ」「ときめく」と命名されており、感情で商品を選ぶ傾向がある女性たちにとっては分かりやすい分類だ。選ぶ楽しさがある。
ボタニカル派女子のニーズを囲い込もうと、各社がボタニカル合戦を繰り広げてきたが、「ボタニカルが流行りすぎたが故のアンチボタニカル派女子」のニーズにも今後は着目したい。
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