続くボタニカル人気 その理由は?
ここ3〜4年の間に特に女性の間で広く浸透したキーワードが、「植物」という意味の「ボタニカル」。特に春から秋にかけて興味が高まっているが(Googleトレンド)、2014年以降、その関心は年々高まっていることがわかる。
目次
ボタニカルブームの火付け役
ボタニカル柄(植物柄)のファッションがはやったのは2014年〜2015年。ファッション感度や美容感度の高い女性を中心にボタニカル柄の洋服やネイルデザインを取り入れる人が増えた。同時期に発売され瞬く間に人気商品へと駆け上がったのは、I-ne(大阪)が販売するボタニカルのヘアケアシリーズ「ボタニスト」。アマゾンや楽天で常に上位にランクインしている人気ぶりは今も衰え知らず。女性たちに今最も支持されている植物系のヘアケア商品だ。
空前のボタニカルブーム到来
このボタニカル人気を各メーカーもこぞって取り入れる流れが起き、ボタニカルをコンセプトにしたヘアケア商品やボディケア商品の登場がここ最近相次いでいる。今年2月には、ユニリーバ・ジャパンのビューティーブランド「ダブ」が新ブランド「ボタニカルコレクション」の発売を開始した。ボディウォッシュ、シャンプー&コンディショナー、クレンジング、洗顔料というラインアップ。
他にも、「ボタニカル シャンプー」でネット検索するとさまざまな商品を見つけることができる。今は、まさに空前の「ボタニカルブーム」だ。
ボタニカル人気の理由
では、このボタニカル人気を支えているのは何なのだろうか?購入者の口コミを調べてみると、人気の理由は次のように大別できた。
「髪の毛にやさしい」
どんな成分でできているのかわからないシャンプーよりも、植物由来とわかっているシャンプーの方が安心して使える。近年のオイル美容やサラダブームの到来で、「植物は体にやさしい」「植物は美容・健康に良い」というイメージはすっかり定着した。ボタニカル人気を後押している一因と言えるだろう。
「香りがナチュラル、癒される」
植物や香りによる癒し効果を求めるのは男性よりも女性だ。植物由来の香りならなおさら。好みは人それぞれだが、アロマテラピーに癒される女性が多いことからもわかるように、植物の香りは女性を惹きつける。「ボタニカルは、人工的でケミカルな香りがしないから好き」という声もあった。
「オーガニック商品は高いが、ボタニカル商品はお手頃」
体にやさしい植物というと「オーガニック」を連想する人も多いだろう。オーガニックは文字通り有機栽培であることが条件だが、一般的にオーガニック商品は価格が高いため継続的に購入するのは難しい、という声が多い。一方で、同じ植物由来でもボタニカルは有機栽培を条件としないため継続購入しやすい。
「オーガニックのヘアケア用品は髪がきしむが、ボタニカルはきしまない」
オーガニックのシャンプーは泡立ちが悪く、「洗った気がしない」「洗髪後に髪の毛がきしむ」といったデメリットがある一方で、ボタニカルはオーガニックほど悪くはない。「きしむか?きしまないか?」と言った視点でボタニカルのシャンプー&トリートメントの良し悪しを決めている購入者が目立ち、「髪の毛に良い」とはわかっていても、やはりきしむのはNGと考えている女性が多いことがわかる。ただ、商品や個々の体質によっては、ボタニカルのシャンプー&トリートメントでもきしむという声は一定数見られる。「きしみ」は、ボタニカル商品の人気を左右する重要な指標と言えそうだ。
「ボトルデザインがかわいい、おしゃれ」
これはボタニカル商品に限った理由ではないが、ボタニカルをうたった商品のパッケージデザインはおしゃれな物が多い。ボタニストは「シンプルなデザインでオシャレ。浴室内のインテリアを崩さない」という声が。ダブの購入者は「ボトルデザインがかわいくて買った」「オシャレなデザインに惹かれて買った。見ているだけで癒される」「女子力が上がる」といった声があった。ボタニカル=植物というだけあって、植物や花の色の種類は豊富。ボタニカルの表現方法は幅広く、オシャレなデザインにしやすいというもともとの相性の良さもあるが、やはり、部屋や浴室内など「女性の空間」「女性のインテリア」を崩さないデザインの採用が多いことも、ボタニカル人気と言えそうだ。
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