フェムケアトレンドが追い風、「女性向け漢方処方市場」は年平均11.7%で成長 2024年以降も拡大

クラシエ薬品は今月6日、漢方薬市場の動向を発表した。2019年頃から始まったフェムケアのトレンドが追い風となり、女性向けの処方が順調に伸びているという。漢方薬ユーザーが20〜30代の若年層に広がり始めたことも2023年の特徴的な動きで、今後のさらなる市場拡大が期待される。別の民間調査によれば、女性が「今後取り入れてみたいと思うフェムケアアイテム」の1位は「女性特有の症状に合う漢方・サプリ(※)」。2024年のフェムケアアイテムの代表格に、”漢方薬”が一気に躍り出る兆しだ。(※)健康・美容・テックアイテムにもタイパの流れ、女性2万人の意識調査「OZ勢調査2023」発表

一般用730億円・医療用1,860億円、ともに拡大

薬局やドラッグストアで販売される、国内の一般用漢方薬の市場規模は、直近6年で増加傾向にあり堅実に成長している。2021年度はコロナ禍における漢方風邪薬の落ち込みにより減少したが、昨年から回復に転じ、2023年は前年比113%で730億円の見込み。医療用漢方薬市場も継続的に成長しており、2023年度は前年比103%で1,860億円を見込んでいる。

 

【出典】クラシエ薬品(一般用漢方薬の市場規模推移)

 

【出典】クラシエ薬品(医療用漢方薬の市場規模推移)

 

20代・30代の購買指数が上昇、幅広いユーザーに浸透

2023年の国内の一般用漢方薬市場では、20代・30代の需要増加が見られた。購入個数と来店者数を基に算出した購買指数(PI値)を年代ごとに比較すると、20代・30代ではいずれも前年比110%以上の高い伸長率となった。年代が上がるほど伸長率は低下するが、中高年層は購買指数がもとより高いことから、漢方薬の需要が幅広い年代に広がっていることを読み取れる結果となった。

【出典】クラシエ薬品(年代別の購入指数変化)

 

2023年の漢方トレンドは「耳鳴り」

2023年は耳鳴りに対応する「七物降下湯(しちもつこうかとう)」「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」が昨年に続き大きく伸長した。高齢化社会による患者数の増加をベースに、一般用漢方薬による対処という選択が広がっていることが背景にあり、メーカー各社による投資効果も相まって、国内で今後さらに伸長するカテゴリーと見ている。

【出典】クラシエ薬品(耳鳴り関連処方の実績推移)

 

耳鳴りの原因はストレス、疲れ、気圧の変化、加齢や高血圧などさまざまで、対応する漢方薬も複数処方あることから、症状や自身のタイプに合わせた選択ができる点も、耳鳴りへの対処に漢方薬が選ばれる要因だと見ている。

【出典】クラシエ薬品

 

フェムケアトレンドで2019年から拡大、2024年以降も女性疾患処方が拡大

漢方薬市場の昨今の注目トレンドが、フェムケアカテゴリーの伸長。PMS・月経・更年期など女性特有の多種多様な悩みと漢方薬の親和性が高いことが強みとなり、同社では、フェムテック・フェムケアが広がり始めた2019年前後より女性疾患処方の伸長が顕著に表れているという。年平均11.7%の成長率で拡大しており、フェムケア関連市場の拡大も後押しとなり、2024年以降も継続的に拡大する見込み。

 

【出典】クラシエ薬品(女性向け漢方処方 市場推移)

 

 

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