盛り上がり続けるナイトケア市場で新発想の商品が続々、資生堂・ヤーマン・CityCampの事例
夜間美容を訴求したI-neのナイトケアビューティブランド「YORU」が起爆剤となり、女性市場で再び盛り上がり始めたナイトケア市場。これまでにも、就寝中にむくみをケアする着圧ソックスや、乾燥対策のハンドケア手袋、夜用スキンケア商品など、就寝時間を利用したナイトケア商品は多く存在していたが、コロナ禍を契機としたセルフケア意識の高まり、快眠やリカバリー需要の拡大、SNSで流行ったナイトルーティンによる”夜時間のエンタメ化”などが大きく後押し。2020年代に入ってから、疲労回復パジャマの「バクネ(テンシャル)」、睡眠の質向上を訴求した「ヤクルト1000」、就寝中に疲れを取るドリンク「アリナミンナイトリカバリー」など、夜間の美容・健康を訴求した商品が次々にヒットを飛ばした。商品の充実化が進みながらも、まだまだ空白地帯と言えるナイトケア市場。今後も各社で開発・発売が相次ぐ気配だ。今注目の、新発想のナイトケア商品をピックアップ。
目次
夜のUVケア、日中の紫外線ダメージは就寝中に(資生堂)
資生堂の日焼け止めブランド「アネッサ」から新たに登場したのが、夜のUVケアを訴求した薬用ナイトサンケア美容液「アネッサ スキンセラム」。紫外線を浴びた日の夜に使用するもので、就寝中に肌のバリア機能をサポートしながら、全身の美白・潤い・シワをケアする。日中のUVケアを行う人は多い一方で、全身に蓄積された紫外線ダメージを夜にケアする人が少ないことに着目して開発した。商品を通じて新たに提案するのは、夜のUVケアを含めた”24時間UVケア”。2024年2月発売。
就寝前のヘアアイロン、「夜アイロン」を提案(ヤーマン)
ヤーマンが発売したのは、入浴中・入浴後・翌朝の3ステップで髪の毛をケアするヘアアイロン「ナイトリペアアイロン」。就寝前のヘアケア習慣「夜アイロン」を提案する、新発想の商品だ。使い方は以下。
- 入浴中:シャンプー後のトリートメントをつけた状態でアイロンをかけ、毛髪内部への成分浸透を促進。その後、トリートメントを洗い流す
- 入浴後:浴室から出たら髪の毛を通常通り乾かし、再びアイロンをかける
- 翌朝:仕上げのケアとして、夜アイロンで取りきれなかったくせ毛や毛流れをアイロンで整える
同社の調査によると、髪悩みのある人が朝のスタイリングにかける時間は平均10分で、年間で約60時間になるという。また、髪のくせを直す方法として最も多く挙がったのは「朝のヘアアイロン」だったが、高温・長時間でのヘアアイロンの使用時間は、熱ダメージによる毛髪の弱体化を招いてしまう。そこで、気持ちも時間も余裕がある就寝前の時間に着目。前日の夜に”仕込みケア”をすることで、朝のスタイリング時間を短縮するという発想から、開発に至った。2024年5月発売。
時間に合わせて飲むナイトケアドリンク、重視したのは「機能性」よりも「嗜好性」(CityCamp)
「なんもしないをしませんか」を掲げるスタートアップのCityCamp(東京・渋谷)が開発したのは、時間に合わせて飲むナイトケアドリンク。重視したのは「機能性」よりも「嗜好性」で、夕方6時をイメージした「オフコーラpm6:00」は、パンチあるスパイス感とウェイト感ある飲み心地。リフレッシュできるフレーバーで、pm6:00の体調や気分にぴったり。深夜2時をイメージした「オフコーラam2:00」は、すっきりとした軽い飲み心地。スパイスには、エレガントな風味で余韻に“エモさ”が残るトンカとカルダモンを。さらに、体が温まるジンジャーもプラスし、am2:00に飲みたくなるコーラに仕上げた。ボトルに入ったシロップタイプで、炭酸や牛乳と割って楽しむ。RTD缶でも発売しており、今年3月からナチュラルローソンで販売開始。すでに一部店舗で完売したという人気ぶりだ。
ナイトケアを謳ったドリンクだが、「機能性」より「嗜好性」を重視していることで、独自のポジションニングを確立している。時間に合わせた飲み方を提案しつつ、ドリンクボトルには見えないデザインや今どきの”ゆるい世界観”から、Z世代やクリエイター、ハードワークをこなす経営者などから評価されているという。2021年7月発売。
人気商品の分析で明らかに、「女性の健康消費を促す基準」は?
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