家族が入居する介護施設のICT導入、どう思う? 「望む」理由と「望まない」理由
超高齢社会の進行で介護分野のDX化が押し進められる中、要介護者の家族側はどう受け止めているのか?介護施設や医療機関のICT化を支援するチュウセツシステム(広島・三次)が、家族の介護に関する意識調査を行ったところ、見守りカメラ・オンライン面会・健康管理アプリなどのICT導入を望む人は7割に上ることがわかった。一方でネガティブに捉える人も一定数おり、ICTに対する心理的抵抗や、機械任せになることへの不安が明らかに。調査を行った同社は、「ICT化によって浮いた時間を、“人にしかできない仕事”に充てられるようにすることが、本来の目指される姿」とコメント。人口減少社会で介護施設におけるDX化が不可避となる中、施設利用者やその家族が安心できるよう、ICT導入に対する理解促進とあわせ、家族の声を取り入れた運用設計が求められる。
目次
家族に介護が必要になったら介護施設を利用したい、6割
調査は今年6月に、30〜60代の男女300人に実施。「家族に介護が必要となった際に、介護施設の利用が視野に入っているか?」と聞いたところ、「はい(60.3%)」「いいえ(13.7%)」「まだ分からない(26.0%)」で、視野に入れている人が半数を超えた。
介護施設のICT導入に関する意識
家族が入居する介護施設にICTの導入を望む、7割
続いて「家族が入居する介護施設に、見守りカメラ・オンライン面会・健康管理アプリなどのICT導入を望むか?」と聞いたところ、「望む」が大多数となり66.3%だった(「強く望む」と「ある程度望む」の計)」。
介護施設にICT導入を望む理由は、安心安全
介護施設のICT化を「望む」と回答した199人に理由を尋ねたところ、トップ3は「日常の様子がわかる(76.4%)」「健康状態や安否が通知でわかる (64.8%)」「緊急時の対応が早くなる(52.8%)」で、介護施設に入居する家族や自分自身の安心安全を求める意識がうかがえる結果に。
介護施設にICTの導入を望まない理由は、心理的不安
一方で「望まない」と回答した21人に理由を尋ねたところ、トップ3は「“監視”されていると感じるなど入居者の心理的不安(61.9%)」「入居費用が高くなる(52.4%)」「機械任せになり直接の介護が減少(38.1%)」で、ICTに対する抵抗感を持つ人が半数を超えた。
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