「HPV診断タンポン」「不妊治療中の自己注射サポートキット」、タイム誌が選ぶ2024年の画期的な発明品(vol.1)
米ニュースマガジンのTIME誌が10月末、「The Best Inventions of 2024」を発表した。世界中で最も革新的で影響力のある発明品やアイデアを紹介する特集で、20年以上にわたり毎年発表しているもの。カテゴリーは「在宅医療」「医療」「フィットネス」「美容」「子育て」「人工知能」「アプリ・ソフトウェア」「家電」「航空宇宙」「ファッション」などで、今年はヘルスケアやAI、グリーンエネルギーなどの成長カテゴリーに注目。特別賞を含め250製品を選出した。本稿では「在宅医療」のカテゴリーで選出された女性の健康にアプローチする画期的な製品をご紹介。
性感染症やHPVの検査が自宅でできる診断用タンポン
最先端のPCR検査技術を活用した診断用のタンポン「Vaginal Microbiome Screen」。通常のタンポンと同じように約20分使用し郵送するだけで、カンジダ症やクラミジア、淋病などの性感染症やHPVの検査、不妊症への影響、その他の婦人科の合併症のリスクがわかる。現在、英国と米国でのみ利用可能。
不妊治療中の自己注射をサポートするキット
不妊治療中に行う自己注射のハードルを下げるキット「Dandi IVF Care Kit」。キット内には、ベルト、冷却パッド(注射前に皮膚を麻痺させる)、温熱パッド(注射を温める、注射後に腹部を温める、卵子採取後に腹部を温める等)、マッサージボール(注射後の痛みや不快感をケア、注射後の液体の塊やしこりをほぐす)、ショットターゲット(適切な場所に注射するための目印となるシール)が含まれており、精神的・肉体的にも負担の大きい注射プロセスを全面的にサポートする。温熱パッドは、月経時の腹部の痛みや子宮内膜症の不快感、帝王切開後の痛みなどにも使用できる。
ウェアラブル妊娠モニタリングデバイス
妊娠後期に胎児の健康状態を調べる検査「ノンストレステスト(NST)」が自宅でできる装置「Nuvo Invu」。母親の健康状態や出産年齢の高齢化などにより約3分の2の妊娠が高リスクと分類される中、出産の8週間前から週に1~2回のNSTが推奨されているが、検査のため病院に行くのは時間も手間もかかる。こういった手間を省けるのがベネフィット。腹部に巻き付けるバンドに12個のセンサーが内蔵されており、心電図や音響センサーを使用して胎児の心拍数などを測定する。
女性に人気のヘルスケア商品は、何が評価されてる?
女性たちに人気のヘルスケア商品は、なぜ人気なのか?人気商品には、どんな共通項があるのか?2023〜2024年のヒット商品を中心に、今人気を集める話題のヘルスケア商品のユーザー評価を徹底調査・分析し、各商品の人気を支える高評価要素と、その共通項を探りました。レポート詳細・お申し込みはこちら。
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