企業が協力できることは多いはず 「民間企業との連携少ない」 子ども食堂 

無料または安価で栄養のある食事や温かな団らんを子どもたちに提供する「子ども食堂」。背景にあるのは、共働き世帯の増加で親と食卓を囲めない子どもが増えていることや子どもの貧困で、この5年ほどで全国各地に急速に広がりを見せている。今後も増えると言われているが、子ども食堂の立ち上げや運営に関する課題を感じる運営者は多い。まだまだ手探り状態にあると言える子ども食堂の運営。企業が協力できることは大いにありそうだ。

子ども食堂とは?

子ども食堂では、子どもやその親、地域の人々に食事を提供している。運営するのは任意団体、NPO法人、個人など。料金は場所によってまちまちで「子どもは無料・大人は有料」というところもあれば、「子どもも大人も有料」というところや「小学生・中学生・高校生で料金が異なる」ところもある。有料と言っても100〜500円が相場で、1汁2〜3菜を意識した本格的な1食を低価で食べられる上に栄養バランスも良いので、親としても安心だ。

食事の確保や栄養バランスの他、共食の機会が生まれることで子どものコミュニケーション能力向上も期待できる。自宅で孤食を繰り返すよりもずっと精神衛生上にも良い。各地域の子ども食堂の取り組み内容は、全国の子ども食堂を検索できる「こども食堂ネットワーク」が参考になる。

子ども食堂の実態

農林水産省が先日公表した「子供食堂と地域が連携して進める食育活動事例集」では、子ども食堂の運営状況・課題・地域との連係状況や食育の取組状況についてまとめている。以下ではその一部をご紹介。

現在、運営にあたり感じている課題

子ども食堂の運営者が運営にあたり感じている課題は次の通り。

  1. 来てほしい家庭の子供や親に来てもらうことが難しい(42.3%)
  2. 運営費(立上げ時を除いた普段の運営にかかる費用)の確保が難しい(29.6%)
  3. 運営スタッフの負担が大きい(29.2%)
  4. 学校・教育委員会の協力が得られない(17.2%)
  5. 行政の協力が得られない(12.8%)
  6. 調理・配膳スタッフの確保が難しい(12.4%)
  7. 食中毒に不安を感じる(12.0%)
  8. 食材を安定して確保できない(10.2%)
  9. 参加者が増えすぎえて対応できない(9.5%)
  10. 会場の確保が難しい(9.1%)
  11. 参加者が十分に集まらない(7.7%)
  12. 食物アレルギーへの対応が難しい(5.8%)
  13. 調理器具が古い・足りない(5.8%)
  14. 行政の担当部署が決まっておらず、相談することができない(4.0%)
  15. 住民の協力が得られない(3.6%)
  16. 保険を活用したいが、条件に合う保険商品がない(3.3%)
  17. 衛生管理に手間が掛かる(1.8%)

なかなか進まない?企業との連携の実態

子ども食堂の連携先を見てみると、半数以上が社会福祉協議会や自治体、小中学校・高校といった公的な団体・ 機関で、商店・スーパーや食品メーカー、飲食 店といった民間企業等との連携はいずれも 20%台と少ない。

同書では、子ども食堂と民間企業との連携の状況について次のように述べている。

商店・スーパーや食品メーカー、飲食店といった民間企業等との連携は、公的な機関・団体と比べると、まだ広がっていないのが現状です。しかし、数は少ないながらも、フードバンクを通じた食材の寄付や、運営費用の支援など、様々な形で子供食堂を支える民間企業もあります。例えば、キューピーみらいたまご財団や、公益財団法人オリックス宮内財団などの財団から、運営資金の援助を受けている子供食堂があります。また、福岡県大野城市の事例(詳細は参考資料Ⅱ(10)参照)では、民間企業が社員寮の食堂を会場として提供するというユニークな取組も行われています。企業・団体の規模や業種によってできることは異なりますが、多様な支援の広がりが子供食堂の活動を支えていくことが期待されます。

民間企業との連携内容の内訳については同書p.15で確認できる。

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