「消費者問題に関する2023年の10大項目」10代の美容トラブルやステルスマーケ規制など 国民生活センター

国民生活センターは今月13日、「消費者問題に関する2023年の10大項目」を発表した。同センターは毎年、消費者問題として社会的注目を集めたものや消費生活相談のなかから、その年の「消費者問題に関する10大項目」を選定している。2023年は、コロナの5類移行による消費活動の活発化の影響や、成年年齢引下げから1年経過後の相談状況、自転車ヘルメット着用の努力義務化などに注目が集まった。

新型コロナウイルス感染症が5類感染症に 旅行予約やチケット転売のトラブルが増加

新型コロナウイルス感染症の位置づけが5月8日から「5類感染症」となり、行政が様々な要請・関与をする仕組みから、国民の自主的な取組をベースとした対応へと変わった。マスク着用が自己判断になったほか、旅行がしやすくなったり様々なイベントが開催されたりと、日常が徐々に戻り始めた年となったことに伴い、同センターでは、ホテルや航空券のインターネット予約に関するトラブル、チケット転売に関するトラブルについて、情報提供や注意環境を行った。

 

18 歳・19 歳の契約トラブル、「美」と「金」がキーワードに

2022 年4月1日の改正民法の施行により、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられ、1年が経過した。同センターに寄せられる20代からの相談の特徴として見られる「美(脱毛エステや医療サービスなど)」と、「金(転売ビジネスやアフィリエイト内職など)」に関する相談が、 18 歳・19 歳からも多く寄せらた。特に脱毛エステについては2023年度も事業者の倒産が続き、多くの相談が寄せられている。契約当事者が男性の事例もあった。

 

ステルスマーケティング 規制始まる

消費者庁は景品表示法第5条第3号に基づき、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」を新たな不当表示として告示した。本告示は10月1日に施行され、広告であるにもかかわらず広告であることを隠す、いわゆる「ステルスマーケティング」が景品表示法で規制されることになった。ステルスマーケティングは、一般消費者が、広告であると認識せずに表示内容をそのまま受け取って誤認してしまう可能性があり、商品などの選択に影響を与えることが問題視されてきた。不当表示の対象となったことにより違反が認められた場合は、措置命令が行われる。

 

改正消費者契約法、改正特定商取引法が施行

6月1日に改正消費者契約法が施行された。契約取消事由の拡充、契約条項の無効事由の拡充、事業者の努力義務の拡充などが規定され、事業者との契約トラブルの未然防止や解決が期待される。また、同じく6月1日に改正特定商取引法が施行された。訪問販売など一定の取引を行う場合で、事業者が消費者に交付する契約書面等について、改正前は紙での交付が義務づけられていたが、消費者本人の承諾を得た場合には、メール送付等の電子交付が認められるようになった。利便性が向上する一方で、契約にともなうトラブルが増加しないかなど、今後の注視が必要。

 

訪問購入のトラブルが増加、8割近くが高齢者

コロナ禍での在宅率の増加や不用品整理への意欲の高まり、金相場の高騰などを背景に、購入業者が自宅に来て物品を買い取る「訪問購入」に関する相談が増加した。契約当事者が60歳以上の割合が全体の8割近くを占めており、同センターでは、特に高齢者に注意してほしいトラブルとして、10月に注意喚起を行った。

 

自転車のヘルメット着用、年齢を問わずすべての人の努力義務に

自転車乗車時の乗車用ヘルメット着用の努力義務は、これまで13歳未満の子どもが対象だったが、改正道路交通法の施行により、4月1日から年齢を問わずすべての人が対象とった。7月1日には特定小型原動機付自転車の利用者にも乗車用ヘルメットの着用の努力義務が課された。同センターでは、安全性に関する規格などへの適合マークが表示されていない乗車用ヘルメットの性能と、1歳未満の子どもの乗車用ヘルメット着用について調査を行い、消費者に情報提供、注意喚起を行った。

 

子どもの誤飲事故防止のための玩具の新たな規制

同センターではこれまで、強力な磁力のマグネットを幼児が誤飲し消化管に穴があいた事故や、水で膨らむボールを乳幼児が誤飲し腸閉塞が起きた事故を踏まえ、事業者や行政に対し要望を出し、継続的に注意喚起を行ってきた。これを踏まえ消費生活用製品安全法施行令が改正され、磁石製娯楽用品(マグネットセット)と吸水性合成樹脂製玩具(水で膨らむボール)について、6月19日より、基準不適合製品の販売が規制される特定製品に指定された。

 

ビッグモーター社の不正問題  中古車販売業界や損害保険業界のコンプライアンスに課題

中古車販売大手のビッグモーターが保険金を不正に請求していたことが判明し、それを発端に不適切な点検作業、不十分な内部通報体制など様々な問題が明るみになり、同社に留まらず、中古車販売業界や損害保険業界のコンプライアンスに課題が示される出来事となった。

 

旧統一教会をめぐる問題 国が解散命令を請求

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐる高額な献金や霊感商法の問題を受け、文部科学省は、宗教法人法に基づく質問権の行使や、被害を訴える元信者らへの聞き取りなどを通じ、献金集めの手法や組織運営の実態などの調査を進め、10月13日に教団に対する解散命令を東京地方裁判所に請求した。

 

消費生活相談デジタル化・体制の再構築

消費者庁と同センターでは、消費生活相談のデジタル化を推進している。消費生活相談のデジタル化は、「消費生活相談のサービス向上への体制再構築」として「経済財政運営と改革の基本方針 2023(骨太の方針 2023)」にも盛り込まれており、実現に向けた取組を進めている。4月には本格実施に先立つ実証実験として、「消費者トラブル FAQ サイト」を開設。トラブル解決を支援する情報を提供するとともに、相談窓口等を案内している。

 

 

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