被災者の心の動き「ハネムーン期」から「幻滅期」へ、どう支援する? ガイドライン
能登半島地震の長引く避難生活で問題が深刻化しているのが、心身の健康被害。慣れない避難生活で不便・不安・不快の我慢を強いられるなか、持病や障害などを抱える本人や家族の健康対策が呼びかけられているが、加えてこれからは、メンタル不調の増大も心配される。
災害発生から3週間、今は被災者や支援者らの間で強い連帯感が生まれ、困難を乗り越えようと頑張れる「ハネムーン期」にあるが、この時期を過ぎると「幻滅期」に入り、さまざまな問題が表面化してくる。災害直後の混乱が徐々におさまるものの被災者の疲労や忍耐は限界に達し、やり場のない感情にかられ、不安やうつ状態などのメンタル不調、周囲との喧嘩や飲酒問題などのトラブルが起きやすくなる。災害から1ヶ月から数ヶ月で起きるとされ、この時期は地域の連帯感も失われやすい。こういった時間の経過による被災者の心の動きや支援のあり方について、各自治体ではガイドラインを発行している。
東京都が発行する「災害時『こころのケア』の手引き」では、災害直後からの心の変化を4段階でまとめた図解(上)とともに、被災者の心のケアにあたる支援者の基本的な心構えや、支援時の具体的なポイントなどをまとめている。例えば「幻滅期」では、被災者の怒りや不満を非難したり否定せずに感情を受け止めることや、被災者が感情のコントロールができていない場合は、話を中断し時・場所を変える、など。専門機関につなぐべき際の見極め方についてもまとめている。要配慮者とされる「障がい者」「高齢者」「子ども」「外国人」の対応方法についても掲載。
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