災害経験のある女性に聞いた、災害時に最も困ったこと(24〜59歳)
災害時や避難生活における健康問題やニーズへの対応は、未だ課題が山積。特に女性たちが困っているのはトイレで、災害を経験した女性を対象に実施した調査では、生理用品の充実や安全・衛生対策を求める声が多く寄せられた(THINK vinc「災害時のトイレに関する悩み調査」2021.3 , 対象:災害経験のある24〜59歳の女性)。
災害時に困ったもの、ランキング
災害経験のある24〜59歳の女性1,765人に「災害時に最も困ったもの」を聞いたところ、全体で最多は「トイレ」だった。
- 1位:トイレ(24.6%)
- 2位:飲み水(15.1%)
- 3位:食料(14.3%)
- 4位:灯り(13.3%)
- 5位:携帯充電(12.2%)
- 6位:お風呂(8.35%)
- 7位:除菌剤などの衛生用品(3.2%)
- 8位:防寒具(2.7%)
- 9位:医薬品(1.2%)
被災女性のトイレにまつわる悩み
避難生活におけるトイレについて、具体的にはどのようなことに困ったのか?災害経験のある女性に、「女性が安心して、落ち着いてトイレタイムができるには何が必要だと思うか?またはどうしてほしいか?」という質問に寄せられた自由回答からは、6つの対策ポイントが見えてきた。
- 女性用専用トイレの必要性
- 不審者対策
- 衛生対策や使用時の音対策
- トイレ内の暗さ対策
- 生理用品の備蓄
- 小さい子どもと一緒に入れる広さ
以下は、実際に寄せられた自由回答の一部。
・生理用品とトイレットペーパーの常備(37歳,兵庫県)
・衛生面、生理用品の交換がしやすい広さが必要(30歳,大阪府)
・安全に使用できるように施錠される。衛生面が確保される。子どもと一緒に個室が使用できる(52歳,東京都)
・仮設トイレをできるだけ早く設置してほしい。使用場所をできれば男女でわけてほしい。和式だと危険な人もいるので洋式便座の物もあった方が良い(51歳,兵庫県)
・とにかく男性用と離れて設置することと生理用品をトイレの中に常備しておいてほしい(58歳,兵庫県)
・臭い問題やトイレ内の明るさ、最低限の清潔さ(38歳,東京都)
・清潔さ、周囲への音・臭い漏れ防止(32歳,東京都)
・乙姫のような機能・ナイト用の経血漏れがない大きいサイズのナプキンの設置・匂い漏れのない廃棄装置(25歳,東京都)
・生理用品があり、かつ匂いを気にせず捨てられる環境。周囲の視線等が気にならない環境(33歳,東京都)
・避難所での場合ですが、周りから遠ざけた場所にあるという配慮が反対に性的犯罪に繋がったと聞いているので、犯罪被害抑止の方を優先してあまり人目がな さ過ぎる場所には設置しないで欲しい。または、なかなか難しいとは思いますが、女性の監視員常駐するとかあったらかなり安心すると思います(56歳,宮城県)
・女性が入りやすい優しい色味を使ったらいいのではないでしょうか(26歳,東京都)
・女性専用トイレ。使用後にキレイに出来るような除菌剤などを置く(57歳,神奈川県)(source)
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