救急車の出動件数、過去最多に 「急病」が増え「交通事故」は減少 消防庁
消防庁は26日、「令和5年版 救急・救助の現況」を公表した。全国の救急業務と救助業務の実施状況などを取りまとめたもの。新型コロナの影響を受け、2022年の救急車の出動件数は722万9,572件で過去最多となった。救急車で搬送された人は621万7,283人で、前年より72万5,539人増えた。
搬送の原因、最多は「急病」
搬送の原因の最多は「急病」で、全体の67.3%を占める。近年は「交通事故」による搬送の割合が減少し、「急病」が増加している。
- 1位:急病…418万6,450人
- 2位:一般負傷…98万5,958人
- 3位:交通事故…34万7,372人
- 4位:労働災害…5万6,814人
- 5位:自損行為…40,256人
搬送された人の6割超え、高齢者
搬送された人の中で6割を占めるのが65歳以上。そのうち最多は85歳以上で、24.4%(151万4,208人)。次いで75〜84歳が23%(143万840人)、65〜74歳が14.8%(91万8,105人)。高齢化に伴い、高齢者の占める割合が高まっている。
- 1位:高齢者(65歳以上)…386万3,153人
- 2位:成人(18歳以上65歳未満)…186万2,388人
- 3位:乳幼児(生後28日以上7歳未満)…27万4,140人
- 4位:少年(7歳以上18歳未満)…20万5,183人
- 5位:新生児(生後28日未満)…1万2,419人
救急車到着まで、平均10.3分
通報を受けてから救急車が現場に到着するまでの平均時間は10.3分で、初めて10分を超えた。高齢化の進展で救急需給は今後さらに増大すると見られ、消防庁は、救急活動時間の延伸を防ぐとともに、それによる致命率の低下を防ぐ対策の必要性を指摘している。
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