女性ヘルスケアトレンド
女性ヘルスケアトレンド

動物実験に頼らない女性疾患研究 米ハーバード大博士開発のチップに国際賞 

女性の子宮頸部や膣の働きを、USBメモリほどのマイクロチップ上に再現する世界初の技術が、動物実験代替法を支援する世界最大規模の基金「ラッシュプライズ2026」のサイエンス部門に選ばれた。開発したのは米ハーバード大学のゾーレ・イザディファール博士。長年研究が遅れてきた女性の健康分野で、動物実験に頼らない新たな前臨床モデル(人を対象にした試験の前に、薬や治療法の効果や安全性を確かめるためのモデル)として期待がかかる。

「Lush Prize 2026」- ハーバード大学博士が開発した女性疾患研究の新機軸「子宮頸部・膣チップ」

【出典】ラッシュジャパン

 

「子宮頸部・膣チップ」と呼ばれる装置は、ヒトの細胞を培養し、体内の環境をチップ上に再現する。電気センサーが組み込まれ、細胞がホルモンや常在菌、病原体にどう反応するかをリアルタイムで観察できる。発表によると、すでに膣の健康、早産、不妊症の理解を深める研究に活用されているという。

実験動物とヒトの生理機能の違いは、女性疾患の研究を阻む壁となってきた。マウスには月経や閉経がなく、ヒトに特有のホルモン変動や微生物を持たない。イザディファール博士は、動物モデルで有望とされた治療法の多くがヒトでは効かなかったと指摘し、チップを、こうした隔たりを越える一手と位置付けている。

受賞を発表したのは、英国発のナチュラルコスメブランド「ラッシュ」と、英国の消費者団体「エシカルコンシューマー・リサーチアソシエーション」。ラッシュは1995年創業のブランドで、前身ブランドの時代から動物実験を行わない方針を貫いている。両者は2012年、動物実験に頼らない研究開発と動物実験廃止に向けた活動を支えるため基金を設立。動物を使わない代替手法に特化した賞としては世界最大規模で、これまでに総額300万ポンド(約5億8500万円)を超える賞金を贈ってきた。今回は5部門で計25万ポンド(約4875万円)が研究者や活動家らに贈られる。

イザディファール博士は「動物モデルを高度なヒト由来のシステムに置き換えることで、病気への理解を根本的に改善し、創薬を加速できる」とコメントした。

 

女性ヘルスケア白書2026 市場動向予測レポート

2026年度の女性ヘルスケア市場を予測する「女性ヘルスケア白書2026年度版  市場動向予測」を発行しました。これまでにBtoC企業、BtoB企業、自治体、医療機関、マスメディア、教育機関など、さまざまな業種の方に広くご活用いただいている、恒例の人気レポートです。新規事業の企画・開発、マーケティング設計、販売戦略における意思決定にご活用ください。レポート詳細・お申し込みはこちら

女性ヘルスケア白書2026 市場動向予測レポート(PC)

 

【編集部おすすめ記事】
東京都、フェムテック系企業など社会課題解決型スタートアップ支援事業
産後ケアや月経関連、AIセルフケアも 東京都のフェムテック助成
ピッチ決勝戦フェムテックも ヘルステックのカンファレンスHealthtech Summit
ユニ・チャーム×iLAC、経血に含まれる生体情報を健康管理に生かすサービス
女性ヘルスケア白書 市場動向予測2026 健康トレンド・業界動向・女性ニーズ

 

PAGE TOP
×