増え続ける使用済みの大人用紙おむつ、リサイクル導入を後押し 環境省が指針改定
高齢化の進展で排出量が増え続ける使用済み紙おむつについて、環境省は今月6日、再生利用を促すための自治体向けガイドラインを改定した。焼却中心の処理からの転換を後押しするため、温室効果ガスの削減効果を数値で示したほか、2050年までの排出量を各自治体が試算できるツールを新たに用意した。循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行を地域レベルで加速させたい考えだ。
同省によると、大人用紙おむつの使用量は高齢者の増加で年々膨らみ、排出量は23年度の約153万トンから50年度には最大214万トンに達する見通し。一般ごみに占める割合も同期間に5.5%から最大12.7%に上昇すると試算している。使用済み紙おむつは水分を多く含むため、焼却炉の燃焼効率を下げ、炉の腐食や助燃剤の増加を招くという構造的な課題を抱えている。
改定ガイドラインは、こうした現状を踏まえ、再生利用などによる効果を「廃棄物行政」「環境」「社会」の三つの側面から整理した。使用済み紙おむつを1トン処理するごとにCO2を0.4~0.5トン削減可能で、人口1万人規模の自治体で導入した場合、成木約9千~1万2千本分のCO2吸収量に相当するという。焼却炉の更新費や最終処分場の延命効果までを視野に入れた、将来コストの比較の考え方も盛り込んだ。
ガイドラインでは、排出量を年次別に推計できる計算シート(エクセル形式)の提供を始めた。自治体は要介護者数や保育施設の定員などを入力することで、施設整備など導入計画の検討に活用できる。先行事例の紹介も大幅に拡充した。福岡県大木町では家庭系使用済み紙おむつの86%を回収し、建築資材やトイレットペーパーに再生。鹿児島県志布志市では回収した紙おむつから殺菌処理したパルプなどを取り出し、再び紙おむつの原料に戻す水平リサイクルが動き出している。
政府は30年度までに再生利用などに取り組む自治体を150に増やす目標を掲げるが、23年度の時点で78自治体にとどまる。同省は焼却・埋め立ての限界が見える中、地方創生や子育て・介護世帯への支援にもつながるとして、取り組みの裾野拡大を目指していく。
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