「アンチエイジング」嫌う女性たち 次の共通語は?

「年齢に抗う」「年齢を重ねる自分を否定する」「加齢を受け入れない」という印象を感じさせる「アンチエイジング」という言葉に疑問を感じ、加齢を受け入れる考えに共感を示す中高年女性が増えてきているという時代の変化をとらえ、40代向けの人気ファッション雑誌GLOW(宝島社)が、40代女性の新しい美意識の概念として「ナレ美」を3月号から提唱していくことを発表した。

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GLOW(グロー) 2017年 3 月号

同社の発表によると、ナレ美の「ナレ」は熟成の「熟れ」。ナレ美とは「若さを競うのではなく、年齢を重ねた美しさ」や「ナチュラルできれいな大人の新しい美意識」のこと。アンチエイジングが「年齢や加齢に抗う」意味合いを持つのに対し、ナレ美は「今の年齢・加齢を受け入れる」。年齢に対する捉え方が異なる点が大きな違いだ。

GLOWは昨年9月号に掲載した内容が反響を呼び、SNSなど女性の間で大きな話題を集めた雑誌だ。その掲載内容とは、女優小泉今日子氏と社会学者上野千鶴子氏の対談中に出てきた「アンチエイジングって言葉が大嫌いなんです」発言。「若さが女性の価値」という風潮に疑問を感じる女性たちから広く共感された。

同誌は40代女性ファッション誌の中でも人気の一誌。2010年創刊時より、加齢を否定せずに自分らしさを大切にした新しい40代女性像を打ち出しており、それまでの女性誌にはなかった考え方が多くの読者から支持されている。

アラフォーを中心とした「美魔女」が以前ブームになったが、若さを競うような美魔女を目指すファッション・美容の提案や、手の届かないような高級ブランド商品などが並ぶ他のファッション誌と比較して、GLOWは「年齢相応の美しさを引き出す」ファッションスタイルや美容法、「安すぎず高すぎず」の洋服やコスメ紹介など現実的な提案が多く、その点も読者から評価されている。雑誌は女性にとってお手本としたいモデルや商品が並ぶが、自分とかけ離れた世界感(価格やモデルの容姿など)ばかりが強調されると「あんな風にきれいになりたいけど、現実的じゃない…。私には到底無理…」と、参考にならないばかりか「頑張ること」を疲れさせることもある。その点GLOWは、価格やスタイルも「ちょっと頑張れば私にもできる!」という気持ちにさせる誌面作りがされている。

今回ナレ美を提案するにあたり、同誌編集長大平陽子氏は次のようにコメントしている。小泉今日子氏らの発言と同様、GOLW編集長の言葉に頷く女性も多いだろう。

「年齢を重ねた美しさ」とは、どういう外見なんだろう?それは「年を取ったなりにきれいであればいい。ついでに、実年齢より少し若く見られればそれで満足」というレベルなのです。若返りたいのではなく、美しくなりたい。年相応に清潔感があって、品があって、美しいオーラを発している、年齢を重ねた外見的な美しさとはそういう美しさだと思います。ちなみに、男性は年齢相応のきれいな女子に正面きって「きれいだね」「いい女になったね」とは恥ずかしくて言えずに、ほめ言葉として「若いね」「変わらないね」を用いるそうです。男性側には大人の女性へのほめ言葉を「若いね」から「きれいだね」にチェンジすることをお願いします。(引用:宝島社)

「なれ美」という言葉そのものが一般共通ワードとしてこれから広く女性の間で認識されるかどうかは別としても、同誌の提唱する概念そのものは、40代を始めとした現代の中高年女性の考え方をまさに反映しており、多くの対象女性から共感を集めそうだ。

 

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