「湯治」を広めるなら、忙しい現代人に合った提案を

日本ならではの温泉文化「湯治」はいっとき影を薄めたが、ヘルスツーリズムの広がりや健康志向の高まりにより、見直され始めている。しかし1週間以上の長期滞在を必要とする湯治は、毎日が忙しい現代人にとっては現実的な健康法とは言えない。湯治が見直されているが、なかなか広がらない原因の一つは「忙しい現代人」に合わせた湯治を提案できないことにあるのかもしれない。

新しい湯治なら、現代人のニーズを捉えられる

40〜60代の女性向けラグジュアリー生活情報誌の婦人画報12月号p.205~(ハースト婦人画報社)では、「いま、行きたい『新しい湯治』」と題して現代人向けの湯治を紹介している。

温泉地に長期滞在して不調や病を療養する湯治。それは、江戸時代から受け継がれてきた日本の温泉文化です。しかし長い休みを取りにくい現代においては、非現実的!そこで今回は、専門家の声やクチコミをもとに短期間でも効率的に温まり、癒される方法をご紹介します。(婦人画報12月号pp.206)

同誌は、効能や入り方に注意し、短期間で効率的に温まる湯治を提案・解説しており、その中で「湯のない温泉(p.216~)」として酵素風呂や砂風呂も紹介する。時短で効率良く温泉効果を得られる現代バージョンの湯治は「新しい湯治」スタイルと言えるだろう。


婦人画報 2017年 12月号

湯治を再度広める近道

欧米のワーカーのように長期休暇をとってプライベートの時間を消費することに慣れていない日本で長期滞在型の湯治を浸透させるのは容易ではない。しかし働き方改革の推進やギグワーカーの広まりなどにより、現代人の生き方・時間の使い方・働き方は多様化しており、湯治を楽しむ時間的余裕を持てる人はこれから少しずつ増えていくはずだ。

現代人は湯治に興味がないのではない。興味があっても現実的ではないから諦めているとも考えられる。現代人に合わせた現実的な「新しい湯治」の提案は、湯治を再度広める一番の近道かもしれない。

 

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