女性が健康維持のために優先したい、3大行動(20〜60代)

女性たちが健康を維持するために優先したいこととは?内閣府が実施した「男女の健康意識に関する調査」から考察していこう。

3大行動は睡眠・休息・体を動かす

調査は全国の20〜60代の女性10,121人、男性9,879人に実施(有業者・無業者の両方を含む。調査期間は2023年12月)。「健康状態を良い状態に保つために優先したいこと」を尋ねたところ、女性全体で次の結果となった(複数回答)。圧倒的に多かったのは「睡眠」と「休息」で、どちらも4割超え。睡眠と休息を、日頃十分に取れていないことの裏返しと言えそうだ。続いて3位は「体を動かす時間を増やす」で、約3割。運動不足にも課題を感じていると推察される。

  • 1位:休息・リラックス時間を増やす(46.9%)
  • 2位:睡眠時間を増やす・良質な睡眠をとる(43.6%)
  • 3位:体を動かす時間を増やす(27.2%)
  • 4位:食生活を正す(24.0%)
  • 5位:収入を増やす(17.1%)
  • 6位:仕事の量や時間、働き方を調整する(15.5%)
  • 7位:家事・育児の時間・量などを調整する(10.3%)
  • 8位:仕事を辞める・別の仕事に転職する(5.7%)
  • 特に上記の中にやりたいことはない(12.4%)

実際に行動する・しないは別として、女性が健康維持のために優先したい3大行動は、「睡眠」「休息」「体を動かす」と言えそうだ。

 

性別・年代別の傾向

性別・年代別に見ると、属性ごとの健康意識やニーズが浮き彫りに。調査結果をもとに、年代特有の傾向をまとめた。

  • 「仕事をやめる・転職」「収入を増やす」など、仕事や収入によって健康を維持したいと考えるのは、若年層の特徴。若年層は、年齢的な若さから体の不調・疾患が少ないこと、また日々の生活の中で仕事の比重が大きいことから、仕事関連の視点からメンタルヘルスやウェルビーイング向上につなげようとする意識が働くのかもしれない
  • 「家事・育児の時間や量を調整する」ことで健康を維持したいと考えるのは、男性(3.1%)より女性(10.3%)に多く、女性は30代が最多。女性側にケアワークの負担が偏っていることを読み取れる
  • 「介護の時間や量を調整する」ことで健康を維持したいと考える女性は50代が最多で2.1%。50代は介護に直面しやすいことが関係しているとみられる
  • 「睡眠時間を増やす・良質な睡眠をとる」「休息・リラックス時間を増やす」で健康を維持したいと考えるのは、若年層より中年層。中年層は仕事と家庭のいずれにおいても多忙なライフステージにあることや、年齢的に睡眠の質が浅くなりがちなことが背景にあると考えられる
  • 「食生活を正す」ことで健康を維持したいと考えるのは全年代で2割超えで、年齢とともに強くなる。食生活は美容・健康の両方に直結するとの認識や、食行動は健康行動の中でも比較的簡単に実践できることから、年齢に関係なく割合が高いとみられる
  • 「体を動かす時間を増やす」ことで健康を維持したいと考える傾向は、年齢とともに強くなる。20代・30代は2割未満の一方で、60代は4割。一般的に運動行動者率は、若年層は低く高齢層で高くなるという特徴があり、同調査でもそれが反映されたと思われる
  • 「病院や診療所などにきちんと通う」「健診や人間ドックを受診する」といった医療行動で健康を維持したいと考える傾向は、年齢とともに強くなる。高齢層で高くなるのは、年齢的に受診機会が若い頃より増えていることや、健康意識が年齢とともに強くなることが理由と言えるだろう
  • 「家族や知人と会う・コミュニケーションをとる時間を増やす」といった、人間関係を通じた健康維持を求める傾向は、男性より女性に強く見られる。一般的に女性の方が男性より他者とのコミュニケーションを重視しているからだろう

【出典】内閣府「男女の健康意識に関する調査」

 

 

人気商品の分析で明らかに、「女性の健康消費を促す基準」は?

女性たちに人気のヘルスケア商品には、どんな共通項があるのか?ヒット商品を中心に、人気を集める話題のヘルスケア商品のユーザー評価を徹底調査・分析し、各商品の人気を支える「高評価要素」と、「共通項」をリサーチ。共通項からは、女性の健康消費をおこす「マーケティングの新基準」も見えてきましたマーケティング戦略立案のヒント満載ですレポート詳細・お申し込みはこちら

 

 

【編集部おすすめ記事】
行動者率を項目別・年代別にグラフ化、女性が健康のために日頃行っていること
女性の健康意識・健康行動・ヘルスリテラシーがわかる記事、33選
健康行動はどう起こす?行動科学・行動経済学に基づいた解説と事例集
女性が仕事する理由「生活費のため」から「健康維持のため」
女性ヘルスケア白書 市場動向予測2024年度版 〜健康トレンド・業界動向・女性ニーズ〜

PAGE TOP
×