女性の好きなモノ・コトが集まる売り場づくり

大丸松坂屋百貨店は比較的安価のセルフ販売用化粧品の取り扱いを2016年10月より、大丸京都店(京都・京都市)で開始した。「アミューズボーテ」という売場を地下2階にオープンし、同名の通販サイトもオープン。同店の売り場とサイトは女性の好きなモノ・コト・かわいいが盛りだくさんで女性の新しいスポットになりそうだ。

女性の好きなモノ・コトが豊富に集まる「アミューズボーテ」

同店によると来店客のうち、店内で化粧品を購入しているのはわずか20%だという。そこで今後は、ラグジュアリーコスメだけでなく、ドラッグストアやバラエティショップで取り扱うカジュアルコスメなど幅広く取り扱うことで、消費者の化粧品購入を促すとのこと。さらには化粧品だけでなく、インナービューティやヘアケア用品、ボディケア用品なども販売する。同店の工夫を見てみよう。

【工夫1】お店を渡り歩く面倒を解消

百貨店の取り扱い美容商品というと、有名ブランドや価格帯高めのオーガニック商品が多い。全ての美容関連商品を百貨店で購入する女性ももちろんいるが、例えばクレンジング・化粧水・美容液・パック・アイケアクリーム・乳液・クリーム・洗顔、そしてコスメ道具の下地クリーム、リキッドファンデ、固形ファンデ、アイシャドウ、アイライナーなど一式を揃えようとすると、(ブランドにもよるが)たちまい¥100,000は超える。

もちろん、百貨店で全て購入する女性もいるが、スキンケア商品やコスメ関連に¥100,000以上を継続的に使える消費者は、マーケティング上では少数派。多くは「百貨店とドラッグストアの使い分け購入」だったり「ドラッグストアやバラエティショップのみで安く購入」というパターンだ。

では後者の「多数派」の買い物はどのようなスタイルなのか?以下を見てみよう。

(例)美容関連商品を購入するために百貨店へ買い物へ。女性が化粧品の中でも特にお金をかける美容液は百貨店で購入(ついでに友達の出産祝いにオーガニックボディケア用品を購入。ボトルデザインの見た目もオシャレで高級な雰囲気があるし、プレゼント包装もカワイイから友人へのプレゼント購入は百貨店が手っ取り早い!)。百貨店での買い物が終わったら、今度は近くのドラッグストアへ移動。たっぷり毎日バシャバシャ使いたい化粧水や大容量で安価のフェイスパックはドラッグストアで購入。

「商品によってわざわざお店を渡り歩く」ことは面倒でな上に、店舗側からすれば「商品によってお店を渡り歩かせること」は大きな機会損失。大丸松坂屋百貨店の今回の取り組みはまさにこのような「高い商品は百貨店、安く一般的な商品はドラッグストアやバラエティショップ」と使い分けている女性たちを自店で囲い込もうという戦略だ。

【工夫2】女性の好きなモノ・コトを豊富に提供

他、同店では女性が好むモノ・コトを様々に提供している。

  • 美容のプロによる、メイク・ヘアアレンジセミナーの開催
  • インスタグラムのハッシュタグキャンペーン
  • インスタグラムフォローキャンペーン
  • 話題のブランドをピックアップした、店内のプロモーションスペースでの様々なイベント開催
  • 「飲むビューティ」ジュースバーの設置
  • メイクのハウツー動画公開
  • 女性誌のようで見やすく、かわいいHPデザイン

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女性の「かわいい!」とは?

女性のうち、特に若年層を対象としている場合は女性の好きなモノ・コトの共通キーワードが「かわいい」であり、実際に同店の取り組みやビジュアルは“かわいい”モノ・コトに溢れている。

ただ、その「かわいい!」と感じる視点は個々の価値観や志向の他、ライフコースによっても異なっており、また何かそこにロジックがあるわけでもないため、マーケターが感覚的に「女性が好むかわいい!」をつかむのは容易ではない。そこでおすすめは、様々な「かわいい」を日常的に接触する作業だ。以下に女性たちが「かわいい!」と評価しているものをピックアップしたので、参考までにチェックしてみよう。

若年層女性そのものを理解したい、という方は以下記事がおすすめ。

 


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