「人工透析患者は殺せ!」で大炎上!から考える企業に不足していること
元フジテレビアナウンサー長谷川豊氏のブログの過激発言「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」が大炎上している(現在はタイトルは変更されている)。この過激発言やネット大炎上で長谷川氏は全ての番組降板となった。
内容に関しては上記の該当ブログをご覧頂きたいのだが、タイトルは非常に過激なものの記事内容に関してコメントを見ると賛否両論となっている(とはいえ、圧倒的に非難のコメントが集中している)。
ヘルスケア企業の商品・サービスや情報はまだまだ不足している
この一連の騒動で、ヘルスケア企業が行うべきことは何か?と考える良いきっかけになっているとウーマンズラボ編集部は思うのだが、そもそもこの問題のもっともっと根本をたどると、全ての生活者に疾病リスクや疾病予防に関する正しい情報がまだまだ不足していることにあるのではないか?
ヘルスケアや医療情報はテレビや雑誌、ネット上で膨大に溢れているにも関わらず、いったいそれら情報の何%が本当に生活者に届いているのか?例えば人工透析という言葉は知っていてもそれがどれだけ大変なことなのか?を知る人はいったいどれくらいいるだろうか?例えば、暴飲暴食を続けていたら体重増加して見た目が悪くなるばかりか様々な病気を招く要因になる(最悪の場合、その延長線上には「死」だってある)という本当の怖さをどれくらいの人たちが知っているだろうか?
長谷川氏のブログで言及している腎臓病について考えてみよう
- 炭水化物抜きダイエット中、タンパク質を異常な量摂取し続ける
- 扁桃腺がもともと大きく、高頻度で高熱を出す
- 歯周病である
これら要因が腎臓病につながる可能性を高めてしまう一要因である、ということを一体どれだけの人が知っているのか?一時、炭水化物ダイエットが流行ったが、多くの女性は炭水化物抜きダイエットがそれだけの危険をはらんでいるダイエット法であることを知らずに取り組んでいた。個々の健康寿命や寿命、健康状態は結局のところヘルスリテラシーがどれだけ高いかで変わってくる。
そのように考えると、自分の体を守るためにはどれだけの知識があるか?にかかっていると言える。しかし、先日のウーマンズラボの記事「がん意識調査。自分ゴト化させて、生活者の健康行動を促す2つの施策」で、乳がんについて意識したタイミングは「芸能人が乳がんになったのを知ったとき」がだんとつ1位になっていることを紹介したように、どれだけ企業やメディアが健康や病気に関する情報を発信していても、商品・サービスを届けようとしていても、結局は「芸能人が乳がんになった」という衝撃的な事が起きない限りなかなか行動を起こせない生活者の方が圧倒的に多いのだ。
もっと、分かりやすく行動を起こさせるような情報発信や訴求が必要
多くの透析患者(先天性ではない場合)は「もっと日頃から生活習慣を気を付ければよかった」と激しく後悔するという。そして、日本の自殺原因の第1位は圧倒的に健康問題である。このような生活者にもし、もっと正しい情報や行動変容につながるような情報・企業の商品プロモーションが行き届いていたら?…未然に病気を防ぎ、救われる人の数は計り知れない。
広告表示など難しい側面もあるが、各社はもっともっと、行動変容につなげられるような情報発信が必要なのではないだろうか?医師の態度や日本の健康保険制度とか、日本の医療費について問題提起するよりもヘルスケア企業各社が既に持っている情報や商品・サービスをマーケティング力でいかに一人でも多くの生活者へ届けるか?を考える方が、よっぽど問題解決には早いように思う。読者の皆さんは、今回の一連の大炎上騒動をどう考えるだろうか?
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