2024年に始まる「健康日本21(第三次)」 初めて「女性」を項目立てた目標設定
2024年4月から、健康日本21(第三次)が始まる。初めて、「女性」を項目立てた健康目標が設定された。
健康日本21は、厚労省が2000年からはじめた「21世紀における国民健康づくり運動」で、健康寿命延伸に向けた目標数値を定めている。その目標達成に向け、各自治体が様々な施策を講じる。第一次は2000年~2012年、第二次は2013年~2023年、そして来年から始まる第三次は2035年まで12年間の計画だ。次期計画に掲げたビジョンは「全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現」で、基本方針は以下4つ(厚労省「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針」)。
- 健康寿命の延伸と健康格差の縮小
- 個人の行動と健康状態の改善
- 社会環境の質の向上
- ライフコースアプローチを踏まえた健康作り
方針の4つ目「ライフコースアプローチを踏まえた健康作り」では、ライフステージやライフコースに沿った取り組みの必要性を明記し、こども、高齢者、女性に関する目標を設定している。「女性」に関する目標は以下(厚労省「健康日本21(第三次)の推進のための説明資料(その2)」pp.119-120)。
- 若年女性のやせの減少
→現状の18.1%から、2032年までに15%へ - 骨粗鬆症検診受診率の向上
→5.3%から15%へ - 生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している女性の減少
→9.1%から6.4%へ - 妊娠中の喫煙をなくす
→現状1.9%。目標は第2次成育医療等基本方針に合わせて設定
女性は、ライフステージによって女性ホルモンが劇的に変化する特性があるため、各ステージで健康課題の解決を図る必要がある。こういった問題意識から今回の第三次では、女性に多い「やせ」「骨粗鬆症」、男性とは異なる傾向にある女性の「飲酒」、「妊娠中の喫煙」に関する目標が設定された。これまでも女性の健康に関する目標は設定されてきたが、「女性」という括りで項目を切り出し目標を設定したのは、初めて。
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