イマイチ…な既存商品を女性に再度「買いたい!」と思わせる工夫まとめ
かつては売れに売れた商品でも(あるいは話題になった商品)、時代の変化に伴い、女性の生活や価値観が変化した結果、「過去の商品」として埋もれてしまう。しかし「過去は人気でも今はイマイチな商品…」から、再度女性たちに支持される商品に見事に復活した例は多くある。他社の成功事例を参考に、ぜひ「過去の商品」を再度人気商品に変えるための戦略ヒントを掴んで頂きたい。
目次
女性の「使いにくい…」を改善して、敬遠商品を身近な商品に変えた事例
ただ商品を提供すれば良いわけではない。購入後、実際にどのように家庭で使われているのか?保存方法はどうしているのか?忙しい主婦の手を煩わせる商品設計になっていないか?どこにその商品をしまうか?など、商品購入後の「使われるシーン」まで具体的に、鮮明に考える必要がある。
日清クッキングフラワーのロングセラー商品、薄力小麦粉は、まさにその視点で改善され女性の心を掴んだ。この改善により、同社の商品は「一度使った後は、棚の奥にしまわれっぱなしで年に1~2回しか使われない。あるいは気づいたときには『あら?いつ開封したかしら?忘れたわ…。捨てよう』状態になっていた」ものから「醤油やコショウ、油、七味を置く調味料棚」へ昇格した。
この「棚の位置」の昇格により、同社商品は「もっと使ってみたい!」と思わせることに成功、つまり商品購入サイクルを上げることができる。商品購入サイクルを向上させるヒントに同社の戦略を見てみよう。
≫日清クッキングフラワー「商品形状変更で購買意欲を高める」戦略
キャッチフレーズ・訴求を変えて一気に売り上げが伸び始めた事例
キャッチフレーズを変更して、瞬く間に人気商品に生まれ変わる商品事例は多数ある。キューピー(東京・渋谷区)が販売開始した商品は途中からパッケージの表記を変更したことで売上が上昇した。
読者の皆さんも、今一度自社商品・サービスの表記を見直してみよう。ただし、以下はよく見かけるキャッチフレーズだがいまいち魅力が伝わらない(何の商品・サービスなのかよくわからない)パターンなので、変更の際は気を付けよう。
- 英語表記で見た目はカッコいいが、結局意味が分からない…。ここは日本!日本語で伝えよう!
- 愛、喜び、貢献、笑顔など…フワッとした概念の言葉を多用。企業が掲げる理念などにも見られがちだが、結局何なのか?分からない
- そもそもキャッチフレーズを表記していない
- そもそもキャッチフレーズが魅力的ではない。カッコイイ言葉よりも分かりやすく伝わる言葉を選ぼう
- 他社との違い(その商品を選ぶメリット)が明確に分からない。分からないと、単純に価格が安い方を選んでしまう
以下に各社の成功事例を掲載する。参考にしてみよう。
≫商品パッケージの表記を変えただけで女性の心を掴んだ事例
≫購入時の心理抵抗を払拭する、大王製紙「大人用紙おむつ」の工夫
忘れ去られてしまった「かつての商品」に再び客が戻ってきてくれた事例
ターゲット範囲がある程度決まっている商品の場合(例えば女子中学生~女子高生だけを対象とした商品など)、ターゲット女性の年齢が上がるにつれ、その商品は「過去の商品」となり、やがて存在すら忘れ去られてしまう。
しかし人口減少に伴い市場縮小が進む日本国内では、商品販売個数の先細りは明らかだ。そこで各社は、設定している既存ターゲット以外の消費者にも購入してもらえるよう(つまり新規顧客開拓)様々な工夫を仕掛ける動きが活発になっている。
例えば、チョコレートのメーカー各社は、今までは子供や女性をメインターゲットにしていたが、市場縮小に対抗するためシニアを新ターゲットとした戦略へと舵を切るところも出てきている。シニアを振り向かせるためにチョコレートの健康効果を打ち出すようにしたのだ。シニアにとって、チョコレートは「かつてよく食べたご褒美お菓子」だったが、今は「健康」という違う目的で再びチョコレートを食べるようになっている。
国内の市場縮小により競合企業との客の奪い合いが必至になる今だからこそ、かつての客に再び戻ってきてもらう戦略はいち早く取り組むべきだろう。
売れ残り商品を、画期的なアイディアで魅力的な商品に変えた事例
売れ残り商品を、画期的なアイディアで販売するのが松坂屋上野店。同店では食品の売れ残りを対象としているが、食品以外の企業にとっても同店のアイディアは参考になる。前述したキャッチフレーズと同じだが、結局は「その商品・サービスの魅力を何に設定するか?」が大きく命運を分けるということだろう。
≫売れ残り商品を、画期的なアイディアで販売する方法
≫他社のメイク商品へ切り替えるきっかけを「とめる」方法