企業が取り入れるべきシニア女性の心を掴むマーケティングとは?

「次はいつ出るのですか?」読者からのたくさんの声に応え今年3月に発売された、60歳以上のおしゃれマダムたちのファッションスナップ集「OVER60 Street SnapnⅡ」の重版が決まり、第1弾に続きヒットの予感だ。この異例の大ヒット本から学べる「シニア女性の心を掴むマーケティング」とは?

「私の着かた、私の生きかた」OVER60 StreetSnapⅡ

第1弾は、2014年9月の発売からわずか1年で、写真集としては異例の5万5000部を達成。人気の秘密は、ファッションそのものをお手本にする、というよりもモデルとなっている彼女たちから受ける「刺激」のようだ。

モデルは、銀座や表参道を歩く一般女性

OVER60 Street Snapは、著者2人が毎週末、銀座、表参道、日本橋などで撮影したもの。ブログに掲載を続けたところたちまち話題となり、新聞、テレビ、雑誌などでその活動が紹介され、第一弾が書籍化された。今回はそのシリーズ第二弾。

被写体はファッションモデルではなく一般人。著者2人が街で声を掛け、承諾してくれた女性を撮影、ブログに掲載しているという。ブログからもスナップ写真を見ることができるが、彼女たち皆、ファッショナブルで清潔感にあふれ「年寄り染みた」印象が全くなく、Over60歳のイメージが変わる。

読者の評価ポイントは、ファションよりも生き方や考え方

スナップ写真の撮影場所は銀座、日本橋、表参道といった東京の中心地なので、言うまでもなくおしゃれ人口率は高く、さらに彼女たちのようなセンスを持った女性は人口から考えたら少数派なので、これを「一般的な60歳像」とは言い難い。

第1弾発売後の購入者レビューには、「奇抜すぎて参考にならない」「ブランドものばかりで現実的ではない」と言ったネガティブコメントも見られるが、1年で5万5000部以上のヒットを飛ばしただけあり、全体的にやはり評価は高い。「歳をとることを怖いと思っていたが、和らいだ」「年齢を重ねることに不安や焦りを感じていたが、自信をもらえた」「何歳になってもキレイでいようと思えた」「若くて美人だけが美しいの定義ではない、と気づかされた」など、本スナップ集のコンセプトや彼女たち共感する女性、感化された女性は多い。ファッションそのものよりも、モデルとなった彼女たちから、考え方や生き方、年齢を重ねることを肯定的に捉えるという価値観を学べた点が高く評価されていることがわかる。

「老いを肯定的に捉えたい」ニーズはこれからさらに高まる

シミ、シワ、白髪、たるみなど、女性は年齢とともに美容面で気になる部分が増えていく。これらを予防したり隠すための商品やサービスは年々パワーアップして登場するが、一時的に対処できれば満足、というわけでは決してない。その根底には常に「老い」への恐怖というものがある。その恐怖を助長させているのが、マスメディアなどで起用される中心的存在が若年層ばかり、という現実なのだが、こちらのスナップ集は、over60歳のみを主役としたことでまさにその「老い」に対する恐怖から女性を解放している。

「老いを隠す」のではなく、「老いることを肯定する」。そんな価値観を提唱する商品・サービスが増えれば、女性たちから熱く支持されそうだ。何と言っても、日本女性は長生きするのだから。

最後に、こちらのスナップ集の著者がどんな思いを込めてover60歳の女性たちの撮影を始めたのか?をご紹介したい。老いることを恐れる女性たちの心を和らげてくれるようなメッセージだ。その思いは、スナップ集を通して確実に女性たちの心に響いている、と言える。ヒットしたのも頷ける。

世の中、歳をとることがネガティブに捉えられることが多いと思う。特に女性は、生きてきた時間を否定するかのように、若く見られることが唯一の正解のような風潮がある。

でもぼくらは、歳を重ねたからこそ持つ雰囲気、スタイルって誰よりも魅力的だと思う。その人にしかない長い時間の積み重ね=人生が表現されるから。

「生きてきた時間を否定するのではなく、生きてきた時間を素直に表現する。」そんな姿を伝えていくことで、歳をとることに対するイメージをポジティブに変えていきたい。引用:リデアル

関連記事
■【白書】シニア女性マーケティングの参考になるデータが豊富!
■高齢者の定義は何歳から?シニアマーケティングの理解に
■「自分を高齢者と思っている?」に70%がNO。定義の見直しを
■50~70代女性の「自分のニオイ悩み」を理解しよう
■ウォーキングイベントがシニア参加率が高い理由
■購入時の心理抵抗を払拭する、大王製紙「大人用紙おむつ」の工夫

一緒に読まれている記事