高齢女性の生き方は中高年世代の希望 101歳の現役のポーラ化粧品販売員、初の書籍化

高齢層を対象にした書籍といえば、一昔前は健康維持や長生きのためのレクチャーが主流で、年老いたことを改めて突きつけられ気落ちさせられるものも多かった。だが最近は、70〜100歳代の元気な女性インフルエンサーや著名人の生き方、働き方、考え方、料理、美容や健康法、ファッションなど、幅広いテーマを扱うものが次々に登場し女性たちの心をときめかせている。

 

 

例えば、「草笛光子 90歳のクローゼット」「80歳。いよいよこれから私の人生」「71歳、団地住まい  毎朝、起きるのが楽しい『ひとり暮らし』 がんを乗り越えてわかった本当の幸せ」。最近は特に70〜90代の女性を取り上げた書籍がトレンドだ。同年代の女性だけでなく、同年代の男性や若年層から中年層の女性にも読まれ、いずれも人気の理由は、何と言っても”明るい気持ちにさせてくれる”こと。書籍に登場する女性たちに共通するのは、周囲に忖度しない芯のある生き方、どんな状況や環境でも前向きに楽しく生きようとするしなやかな考え方、毎日を丁寧に暮らすウェルビーイングなライフスタイル。書籍通販サイトの購入者レビューをのぞくと、「前向きになれた」「自分のこれからの生き方を見せてもらった」「自分なりにオシャレをして出かけてみようと思った」「目的を持って死ぬまで元気でいたい」「生き方の参考になる」「気力を与えてもらった」「生き方を見習いたい」「スタイルや生き方そのものに刺激を受けた」など、高評価のコメントが数多く並ぶ。

「人生100年時代」の言葉が登場した当初は(2017年頃)、老後の経済状況や健康への不安視から長生きしたくないと考える女性が大多数で、長生きをネガティブに捉える風潮が強かったが、最近は人生100年を前提にした心豊かな生き方を模索する動きが女性たちの間で広がっている。

先月末には、ポーラの現役ビューティーディレクターとして活躍する101歳の堀野智子さんの働き方が書籍化された。「最高齢の女性ビューティーアドバイザー」としてギネス世界記録に認定された彼女の初の書籍で、年をとるほど働くのが楽しくなる50の知恵を公開している。例えば、「その日にやれることをやって『今日も無事に過ぎたな』と思えれば十分」「失ったものを数えるより今手にしているものを数えるほうがいい」「人間関係は近すぎず遠すぎずがいちばんいい」「他人をライバル視するよりも過去の自分を乗り越えるほうがいい」など。仕事や職場で感じるモヤモヤやイライラを吹き飛ばしてくれるような”思考技”を身につけられる。仕事人生の大先輩から学ぶ、ウェルビーイングな働き方のコツとは?こちらも多くの女性を惹きつける人気書籍となりそうだ。

 

 

 

 

 

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