女性の肥満解消に適切な運動法・食事法・医薬品とは?(5/5)
子どもの肥満解消 運動と食事の方法
子どもの肥満とは
成人の体格判定基準がBMIなのに対し、小児期肥満判定にBMIは使用しない。思春期のBMI標準値は年齢が進むにつれて漸増(ぜんぞう)し、同性同年齢でも身長の高い者は低い者よりもBMI標準値が大きくなることが理由。よって、小児の肥満判定には肥満度を使用する(肥満度={(体重―標準体重)/標準体重)}×100%)。子どもは以下の数値で肥満の分類が行われる。
- 6~17歳
・【肥満】肥満度が20%以上
・【軽度肥満】肥満度が20~30%未満
・【中等度肥満】肥満度が30~50%未満
・【高度肥満】肥満度が50%以上 - 幼児
・【肥満】肥満度が15%以上
・【太り気味】肥満度が15~20%未満
・【やや太り過ぎ】肥満度が20~30%未満
・【太り過ぎ】肥満度が30%以上
(日本肥満学会「小児肥満症診療ガイドライン2017」)
体脂肪率は11歳未満の女子は30%以上、11歳~18歳未満の女子は35%以上なら過脂肪状態と判定される(日本肥満学会「小児肥満症診療ガイドライン2017」)。
子どもの肥満要因
子どもの肥満要因として以下2つが挙げられる。
- 原発性肥満
疾病ではないことが明らかで、過食と運動不足の生活習慣と太りやすい遺伝的要因が関与 - 二次性肥満
中枢神経系や内分泌系など特定の疾患・病態に由来するもの
(日本肥満学会「小児肥満症診療ガイドライン2017」)
子どもの肥満解消
子どもの肥満解消として日本肥満学会は以下を推奨している。
- 食事療法
・成長期のため摂取エネルギーを極端に制限せず、栄養バランスを整える
・摂取エネルギーの設定は、性・年齢別に身体活動レベルを目安にする
・おやつは子どもの楽しみであるため禁止しない。ただし組み合わせに工夫を
・肥満小児の食事傾向として、不足しがちな野菜類、魚介類、大豆類は献立を工夫する
・外食、惣菜、インスタントが多い場合はできるだけ手作りにする
・嫌いなものを水で流し込む食べ方をさせない - 運動療法
・小児肥満の治療では、食事制限よりも運動による消費エネルギー増大に重きを置く
・励ましや称賛により継続率を高める
・子どもは飽きやすいため、鬼ごっこやボール遊びなどゲーム的要素を織り込み、運動のバリエーションを多数用意しておく
・1日あたり500~1000歩(外遊び10~15分)程度増やすことから開始。最終的には1日あたり60分程度の運動実施を目標にする
・体脂肪減少を目的とする運動療法時の負荷強度は平均心拍数120~140拍/分を基本とする - 行動療法
・子どもの肥満治療は、親の影響力が大きい。治療者として、親の教育・訓練(子どもの問題行動の観察・対処法)も大事
・どのようなときに子どもの問題行動が起き、その時親はどのような対応をしているのか、親が観察、記録する
・親自身が望ましいモデルになる(親自身も食べ方や活動レベルを改善する)
・高い目標は設定せず、子どもにできそうなことを選ばせる
(参考:日本肥満学会「小児肥満症診療ガイドライン2017」)
肥満関連の学会・協会
女性は “楽な肥満解消法” から開始する
病気ではない場合、肥満の原因は「摂取カロリーが消費カロリーを上回る」ことにある。朝食欠食によって空腹感が強くなったり、不規則な生活や睡眠不足、ストレスなどがドカ食い(暴食)につながるため、肥満解消・減量に取り組む際はまずは生活習慣・食習慣の見直しと運動習慣の定着を目指したい。また各種疾患予防のためにも、女性は特に更年期・閉経を迎える中年期以降からは肥満対策を意識したい。
肥満解消を決意したとき、男性は運動・食事改善にすぐさま取り組むのに対し、女性は情報収集・極端な食事制限・サプリ摂取・ストレッチやヨガなど楽な方法を選択する傾向にある。肥満解消を確実に行動に移すには、女性の場合はまずは“楽な方法”から開始することが望ましい。
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