「女性ホルモンを整える」とは?女性のニーズに応える商品・サービス
美容面・健康面・メンタル面において、生涯にわたり女性ホルモンの影響を強く受ける女性たちが高い関心を寄せるのが「女性ホルモンを整える」モノ・コト・情報。女性ホルモンを整えたいニーズに応えようと、各社がさまざまな商品やサービスを市場投入するも、女性ホルモンの乱れによる不調や“オス化”に悩む女性は後を絶たない。
目次
女性が知りたい“女性ホルモンを整える”とは?
女性同士の会話によく登場する「女性ホルモンが最近乱れてるかも…」「女性ホルモンを整えて女子力アップしたいよね~!」ー。ところで、女性ホルモンを「整える」とか「乱れる」って一体なに?
ホルモンバランスが「整っている」「乱れる」とは?
概要は次の通り。
- 女性ホルモンとは、卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)、2つのホルモンのこと
- エストロゲンは、肌ツヤや髪ツヤをよくするなど、女性らしい体を作ったり、骨密度の維持、コレステロール値の調整、動脈硬化を防ぐなど女性の健康を守る働きがある。30歳半ばまで活発に分泌され、以降徐々に減っていく。閉経に向けてエストロゲンの分泌量が急激に減ることで心身にさまざまな不調があらわれる。これがいわゆる更年期
- プロゲステロンは、子宮内膜を柔らかくして妊娠の準備に備えるなど、妊娠・出産に欠かせないホルモン
- エストロゲンとプロゲステロンのバランスが保たれていると、定期的に月経が起き、妊娠でき、女性の健康が維持される。この状態が一般的に言われている「女性ホルモンが整っている」ということ
- 反対にこの2つのホルモンバランスが乱れると、月経不順、無月経、出血量の変化、PMSなどの症状のほか、肩こり、腰痛、頭痛など更年期のような症状が出てくる。放っておくと不妊になったり早期閉経になることも。美容面では、肌荒れなども起きる
“オス化” が進行してヒゲが生えたり濃くなるのも女性ホルモンが影響している。
合わせて読みたい記事
ホルモンバランスが乱れる主な要因は以下だが、多くの医師が指摘する要因は「ストレス」。「女性ホルモンのバランスを乱さないためには、ストレス対策が大切」と提唱する医師は多い。
- ストレス
- 睡眠不足
- 不規則な生活
- 過度なダイエット
- ハードな運動
- 偏った食生活
圧倒的に多いのは、精神的なストレスによるものです。「生理はストレスのバロメーター」といわれるほどで、精神的なストレスがホルモン分泌に影響を与え、不順をおこすことが多く、現代社会では、生理不順の根本的な原因はストレスといってもいいほど。強いストレスを一時的に感じただけで、周期が変わってしまうこともあるんです。(引用:ソフィ)
高まるニーズ、「女性ホルモンを整えたい」女性たち
近年、女性の社会進出や大量情報化社会でストレスにさらされる機会が増えていることを背景に、バランスの乱れや “ 女子力 ” 低下を気にする女性が増えている。また、晩婚化・晩産化の影響で妊活に関心を寄せる女性が増えていることも、「女性ホルモンを整えたい」ニーズが高まっている要因。
「ホルモンバランスを整えたい」ニーズの高まりを受け、女性誌を始め「女性ホルモンを整える」という表現を使う美容メディア・健康メディアは多い。企業も積極的にマーケティングに活用している事例をよく見かける。年齢、ライフステージ、悩みによって「女性ホルモンを整える」の解釈は異なるが、メディアや企業が言う「女性ホルモンを整える」には、大方次のような意・目的が込められている。
- キレイになる
- 女子力を上げる
- PMSの症状を和らげる
- 月経サイクル(生理周期)を整える
- 妊活
- ヒゲが生えるなど、“ オス化 ” を防ぐ
- 更年期を遅らせる
- 更年期症状を和らげる
具体的にどんなハウツーを知りたいの?
“ 女性ホルモンを整える ” 目的は「キレイになりたい」「月経サイクルを整えたい」「妊娠力を上げたい」「更年期症状和らげたい」など個々の症状や悩みによって異なるが、では具体的にはどのような方法で女性たちは「女性ホルモンを整えたい」と考えているのか?それを知る手がかりとなるのが、ネット上の検索キーワード。「女性ホルモン 整える」という言葉とセットで検索されているのは以下の言葉。いずれも検索ボリュームは大きく、これらの方法で「整えたい」と考えている女性が多いと考えられる。
- サプリ
- 薬
- お茶
- ツボ
- 飲み物
- 豆乳
- 漢方
- アロマ
- ヨガ
- 食べ物、食事、レシピ
- 本
「女性ホルモンを整えたい」ニーズに応える商品事例
女性ホルモンのバランスの乱れにより月経不順や更年期症状が強くあらわれるようになった場合、病院・クリニックでホルモン療法による治療を受ける選択肢があるが、日常的なケアとして、またはセルフメンテナンスとして「女性ホルモンを整えたい」というライトなニーズは多くの女性が持っている。ここでは上記で挙げた検索キーワードをもとに、女性たちが頼りにしている「女性ホルモンを整える」商品・サービス事例を紹介。
合わせて読みたい記事
サプリメントで整えたい
エクエル(大塚製薬)。大豆イソフラボンを乳酸菌で発酵させた世界初のエクオール含有食品。1日のエクオールの目安摂取量は10mg(エクエルの場合1日4粒)。ここ数年で「エクエル」の認知度が高まり、女性ホルモンを整えるサプリとして知られるようになった。一部医療機関でも購入可。
薬で整えたい
日本唯一のPMS治療薬「プレフェミン(ゼリア新薬)」。乳房のはり、頭痛、イライラ、抑うつ気分などの症状を改善する。
お茶で整えたい
髙島屋、三越、伊勢丹、京王百貨店などに出店するハーブ専門店「enherb(エンハーブ)」による、女性力を高めることをコンセプトにしたブレンド(※)ハーブティ。ここ最近のお茶ブームも後押しし、ハーブ人気は今も健在。毎日の継続摂取でゆるやかに体質を改善していく。(※)シャタバリ、ラズベリーリーフ、ジンジャー、ジャーマンカモミール、レッドクローバー、レモンマートル、オレンジピール、ターメリック、スカルキャップ
ツボで整えたい
女性専用の鍼灸治療院ハリニーク(東京・銀座)。ツボを刺激して女性特有の悩みに合わせた治療を行う。美容を目的とした針「美容針」はここ数年で女性の間で知られるようになったキーワード。
飲み物で整えたい
エクエルジュレ(大塚製薬)。エクオール、コラーゲン、カルシウムなどが入ったゼリー飲料。
漢方で整えたい
命の母ホワイト(小林製薬)。生理前~生理中の不調(月経痛、月経不順、腰痛、イライラ、貧血、めまいなど)を改善。婦人科系の病気に使われる生薬、11種類(※)が配合されている。(※)トウキ、センキュウ、シャクヤク、ブクリョウ、ソウジュツ、タクシャ、ケイヒ、ボタンピ、ダイオウ、トウニン、ニンジン
命の母(小林製薬)。更年期障害を治す13種の和漢製薬(※)と各種ビタミンが入った複合薬。更年期特有のホットフラッシュ、イライラ、だるさを治す。更年期といえば「命の母」とイメージする女性は多い。(※)ダイオウ、センキュウ、コウカ、シャクヤク、トウキ、ケイヒ、コウブシ、カノコソウ、ニンジン、ソウジュツ、ブクリョウ、ゴシュユ、ハンゲ
漢方セラピー(クラシエホールディングス)。女性の悩みに特化した漢方を4種類提供。
アロマで整えたい
日本アロマ環境協会が開講しているアロマ大学「ホルモン美人学科」は、ビューティアロマワークショップを開催(期間:2019年2月8日~3月14日,場所:全国160カ所のアロマテラピーショップ、スクール)。
他、アロマ関連のワークショップは全国各地でアロマサロンオーナーや、アロマ教室主宰者が各々のペースで開催している。
サロン検索・予約サイトのホットペッパービューティー「りらくサロン」カテゴリーで「女性ホルモン アロマ」を検索すると、764件がヒット(2019年5月現在)。経路リンパ、自律神経調整、アロマ&ホットストーン、ヘッドスパなど多様なメニューが並ぶ。アロマのメニューは、整体やエステサロンなどと比較して価格が高いのが難点だが、ストレスケア効果は高く、アロマサロンに定期的に通うことで、止まってしまった月経が再開したという声は少なくない。ゼラニウム精油とローズオットー精油の香りの刺激によりエストロゲン濃度が増加したという研究データもあるという。
40代になるとエストロゲンの分泌は減少し始めますが、それに伴い心身の不調に悩まされるケースが多くの女性で見られるようになります。(略)そこで今回は、10種類の精油の香り刺激によって、体内で分泌されているエストロゲン濃度が変化するかどうかを調査した研究データをご紹介します。実験では、ゼラニウム精油とローズオットー精油の香り刺激でエストロゲン濃度が増加したことがわかりました。(引用:AEAJ「精油の吸入が女性ホルモンに与える影響」)
ヨガで整えたい
ホットヨガスタジオを全国に展開するLAVAは「女性ホルモンを整える」をコンセプトにしたメニュー「女性ホルモンUP!骨盤ぽかぽかヨガ」「女性ホルモンを整えるヨガ」を提供する。「楽ちん」「リラックスできる」ことからヨガはストレッチと並んで女性の定番人気の運動。
ユーチューバーも、ホルモンバランスを整えるプログラムを動画で紹介。Blifeは女性に人気のヨガチャンネル。
合わせて読みたい記事
食べ物、食事、レシピで整えたい
パルシステムはHP「寒い季節は要注意!PMS(月経前症候群)は大豆イソフラボンで改善」で、女性ホルモンのバランスを整えるレシピや食材を掲載。納豆、豆腐、豆乳、きな粉、ゆば、凍り豆腐などの大豆製品は人気。他、「女性ホルモンを整える」をテーマにしたレシピ本も数多い。
「女性ホルモンを整える」ための情報発信、企業事例
女性ホルモンを整えることをテーマに掲げた情報を各社が発信中。女性の間で一定の認知度があるのはサイトの作りがキレイで世界観がほっこりしている「オムロン式美人(オムロン)」。
- ソフィー(ユニチャーム)
- オムロン式美人(オムロン)
- バファリンルナi(ライオン)
- オオツカ・プラスワン(大塚製薬)
- サワイ健康推進課(沢井製薬)
- 楽天キレイドナビ(楽天生命)
- オズモール(スターツ出版)
女性ホルモン、チェックテスト
女性ホルモンが乱れていないかどうか?を確認できるチェックテストを各社が公開。女性の不調を理解するために男性陣もチェックテストを見てみよう。
女性ホルモンに関する女性たちの声
SNSに投稿された「#女性ホルモン」「#女性ホルモン活性化」を見ると、女性ホルモンアップの方法は、好きな芸能人、花、コンサート、ヨガ、プロレスラーのマッチョな体、彼氏とのデート、エステサロン、ホテルラウンジでの女子会などさまざま。
仕事中ですが追ってます…ソクジンさんがマンネに見えて仕方なくて微笑みます
まじマンネは泣いてバブみが強くよしよし案件本日もわちゃわちゃな7人が素敵だ
ウリリーダーのメントがほんと素晴らしいしかっこ良いし旦那になって
そんでソクジンさんの前髪アップで女性ホルモン活性化された…昇天 pic.twitter.com/4YzoCEDdOe— きむきむきむ (@a_kim_3brovvv) 2019年5月20日
バンタンのおかげで女性ホルモンが活性化(?)されて長生きできそうな気がする
一人の女性の寿命を長くしたよ、ありがとう。 pic.twitter.com/iEx2skPex6— じま (@3101_twt) 2019年5月15日
夜は城田優君のコンサートでした~😆✨
もう最高💕
最高でした💕(←語彙力崩壊中)
お昼は女子会、夜はイケメンで
あ~久しぶりに女性ホルモンが活性化されました😳✌️💕
明日の大森ちゃんのお肌は
ぷるっぷる(のはず)です😆💕 pic.twitter.com/zpJ4wwm8gg
— ナースの大森ちゃん🐱💉 (@lemoned_nurse) 2019年3月21日
「女性ホルモンを整える」がテーマの本
女性の不調を「ヒステリー」で片付けない
女性ホルモンの乱れにより、情緒不安定(イライラ、すぐカッとなる、すぐ泣くなど)になる女性は多く、そんな女性に対し「女はすぐヒステリーになる」「更年期なんじゃないの?」と侮辱や皮肉を込めたような言葉を投げつける男性陣もいるが、女性にとっては、女性ホルモンの乱れによる不調や情緒不安定などの悩みは深く、簡単にコントロールできるものではない。女性たちのニーズに応えるためには、まずは身近にいる女性の声や状態に真摯に耳を傾け、共感を持って観察し、理解する姿勢を示すことが大切!
【編集部おすすめ記事】
■アロマの精油で女性ホルモン分泌量が上昇 研究報告
■女性のストレス発散法とは?男性よりも活発なストレス発散消費
■産後うつの女性、出産後5年以内の心疾患リスク高
■閉経に対する女性たちの意識 重視すべきは「美容<健康」
■女子の関心高い美容アイテムがわかる 「#女子力向上委員会」