女性のストレス発散法とは?男性よりも活発なストレス発散消費

ストレスケア市場の拡大に伴い、各社からは「慢性疲労」「リラックス」「脳疲労」「マインドフルネス」「SNS断ち」「リフレッシュ」などをキーワードとした、ストレスケアにつながる商品・サービスが相次ぎ登場している。ヘルスケア市場の中でも特に近年注目度が高まっているストレスケア。男性よりもストレスを感じやすく、ストレスケアやストレス発散消費が活発な女性たちのストレス発散法を見てみよう。

女性のストレス事情

男性よりもストレスを抱えている女性たち

全年代において女性は男性よりもストレスを抱えている。特にストレスを感じているのは30〜50代で、以下の要素が影響していると考えられる。

  • 仕事・家事・育児などタスクが多い世代であること
  • ライフステージが大きく変化する世代であること
  • それに伴う悩みが発生しやすい世代であること

以下図ではストレスがある者の男女比較を年代別に示している。

女性のストレスの主な原因

女性のストレスの主な原因とは、具体的には何なのか?男性と比べ女性はストレスを感じる場面が多い。その理由は、一般的に女性の方が細かいことに気がついたり(気がついてしまったり)気配りができるという性質も関係していると言えるが、他にも次のような理由が考えられる。

1.ライフコースの多様化で各ライフスデージで決断を迫られる

ライフコースが多様化したことで、結婚・出産・仕事に関して様々なライフプランを描けるようになり、同時に迷う場面が増えてしまった。特に、様々な選択に迫られる30〜50代女性たちが当てはまる。どれも人生を大きく左右される決断ゆえに、悩みはストレスになりやすい。例えば次のような場面だ。

  • このままシングルで生きていく?それとも結婚する?
  • いつまで仕事を続けよう?結婚・出産はいつ?
  • キャリアを積みたいけど、結婚・出産はどうする?
  • 出産したら仕事はやめるべき?
  • 出産して仕事をやめたら、いつ復職する?
  • 一度会社から離れたら、キャリアが中断されてしまう…どうしよう
  • 育児と仕事の両立、精神的にも体力的にも持つか?
  • 夫の転勤が決まった。自分の仕事を諦めてついていくべき?
  • 自分の親(あるいは夫の親)が要介護状態に。仕事はやめるべき?

2.人間関係が多い

男性よりも属するコミュニティーの種類が多いのが女性だ。自分の家族を見てもわかるだろう。親戚づきあいや近所づきあい、子供の親との交流を主導しているのは女性が圧倒的に多い。人間関係が多ければその分悩みやストレスも増えるものだ。

3.日々のタスクが多い

美容タイムがある分、女性はどうしても男性よりタスクが多い。スキンケア、ヘアケア(髪が長いので、洗髪も髪を乾かすのも時間がかかる)、メイクとヘアセット(起床してから家を出るまで、この時間は結構取られるものだ)、ネイルケア、温活(半身浴など)など。細かいことを言えば、眉毛の手入れ、産毛の手入れ、まつ毛のケア、スクラブで体を洗うなど、自分の体の手入れに多くの時間を割いている。

他、女性の方がタスクが多い理由は、家事・育児の負担が大きいことだ。女性の活躍推進により家事・育児に協力する男性が増えたとは言え、現実は女性の方が主導しており負担もまだまだ大きい。自分の美容・健康ケアに加えて、家事・育児・家族(子供・自分の親・結婚相手の親)の健康ケアまでこなさなくてはいけない。

その日の夕飯を毎日考えることだって小さなストレスだ。食べたいものを好きな時に食べたいだけ食べられればいいのだが、自分だけでなく家族の栄養バランスを考えたり家計の状況を考慮すると、きちんとメニューは考えなくてはいけない。女性はヘルスケアリテラシーが高い分、タスクも増えるのだ。ここに家族の介護も加わると、女性のタスクはさらに増える。1日24時間ではもう足りない!

4.女性ホルモンの変化で心身に影響が起きやすい

排卵・月経で心身の不調は毎月やってくる。そのせいで体がだるくなっても、重くなっても、疲れていても生理痛があっても、日々のタスクと仕事はこなさなくてはいけない。40代以降になると、年齢とともに女性ホルモンのバランスが崩れ始めるため日常的な不調を感じるようになる。更年期の不調を感じる期間や度合いは個人差があるが、更年期が終わるまでの約10年間、その不調と付き合い続けなくてはならない。
引用:ウーマンズラボ「男性と女性、ストレス感じやすいのはどっち?」

女性がストレスで感じる体の変化

女性がストレスで感じる体の変化は以下の通り。疲労、美容、健康面に影響があることが見えてくる。

  • 1位:疲れやすくなる(77.2%)
  • 2位:頭が疲れる(66.7%)
  • 3位:眼精疲労(66.3%)
  • 4位:睡眠が上手く取れなくなる(62.1%)
  • 5位:頭痛(58.4%)
  • 6位:怒りっぽくなる(55.6%)
  • 7位:肌荒れ(55.4%)
  • 8位:足が冷える(53.3%)
  • 9位:冷え性(51.5%)
  • 10位:膝・腰が痛くなる(49.4%)
  • 11位:老けて見えると感じる(46.7%)
  • 12位:化粧のりが悪くなる(46.2%)
  • 13位:乾燥肌がひどくなる(45.8%)
  • 14位:髪がぱさぱさになる(45.4%)
  • 15位:唇がカサカサになる(45.2%)
  • 16位:吹き出物が出る(44.6%)
  • 17位:便秘(44.4%)
  • 18位:胃が痛い(40.2%)
  • 19位:風邪が長引く(39.8%)
  • 20位:むくみ(39.5%)
  • 21位:めまい(37.7%)
  • 22位:言葉使いが悪くなる(37.0%)
  • 23位:口の中を噛む(34.5%)
  • 24位:肥満(33.9%)
  • 25位:爪が割れやすくなる(32.6%)
  • 26位:耳鳴り(30.3%)
  • 27位:唇の色が悪くなる(26.4%)
  • 28位:生理不順(23.6%)
  • 29位:歯痛(21.8%)
  • 30位:呼吸不足(19.2%)
    引用:ウーマンズラボ「女性はストレスでどんな体の変化を感じる?TOP30」

特にストレスケアが必要な女性とは

以上を見てくると特にストレスケアが必要なのは、日々のタスクが多い30〜50代の女性であることが分かる。未婚女性より既婚女性、家族の介護をしていない女性より介護をしている女性、専業主婦より働く女性の方がストレス度が強いが、他にも「年代別」「従事している仕事別」によってもストレス要因は異なる。

年代で異なるストレス要因

30代 40代 50代 60代
1位 職場での人間関係 体の不調 職場での人間関係 体の不調
2位 仕事内容 職場での人間関係 体の不調 職場での人間関係
家族関係
3位 体の不調 経済問題 仕事内容
4位 家事・育児 仕事内容
家族関係
家族関係 経済問題
5位 家族関係 経済問題 眠れない・睡眠不足
6位 公共の場でのマナー違反 眠れない・睡眠不足
家事・育児
通勤時の混雑・渋滞
公共の場でのマナー違反 仕事内容
7位 経済問題 眠れない・睡眠不足 家事・育児
8位 通勤時の混雑・渋滞 通勤時の混雑・渋滞 異性との人間関係
9位 異性との人間関係 異性との関係 家事・育児 通勤時の混雑・渋滞
10位 眠れない・睡眠不足 公共の場でのマナー違反 異性との人間関係 公共の場でのマナー違反

株式会社えがおのストレス実態調査 「普段ストレスを感じること女性TOP10」よりウーマンズラボ作成

産業別の精神障害事案

平成29年版過労死等防止対策白書では「過労死等をめぐる調査・分析結果(第3章)」の中で、業種別に精神障害が起きた数を掲載している。これによると、男女合わせて最も多いのは以下5業種(調査対象期間:2010年1月〜2015年3月)

  1. 製造業(349件)
  2. 卸売業、小売業(290件)
  3. 医療、福祉(230件)
  4. 運輸業、郵便業(214件)
  5. 建設業(148件)

 

次のグラフを見てもわかる通り、いずれの業種においても男性の方が精神障害の事案数が多いが、唯一飛び抜けて女性の方が多い業種がある。「医療、福祉」だ

 

このうち自殺事案にまで発展したものを業種別に見ると、女性の中で最も多かったのは「医療、福祉」だった。「医療、福祉」で女性の精神障害事案数が多い理由としてまず考えられるのは、この業種においては男性よりも女性の就業が圧倒的に多く、また、女性だけで見ても、就業者数の割合が全業種の中で最も多いことだ。

もう一つは、働き方や心理的負担の大きさだ。拘束時間が長く、さらに交代勤務や深夜勤務など勤務時間が不規則な上に、精神的緊張を伴うことも多い。心身ともにストレスがかかる仕事がゆえに、うつ病などといった精神障害を抱えやすいと考えられる。
引用:ウーマンズラボ「『精神障害』男性より多い唯一の業種は?特にストレスケアが必要な女性たち」

女性のストレス発散法

女性のストレス発散法の傾向

男性は不健康な方法で、女性は健康的な方法でストレスを発散する傾向がある。

以下は、男女別に調査したストレス解消法。男性と女性ではストレス解消方法が異なることや、男性よりも女性の方が積極的に様々な方法でストレス解消を図っている様子がうかがえる。

男性に多いストレス解消法

  1. 特にない(24.4%)
  2. お酒を飲む(24.0%)
  3. タバコを吸う(14.3%)
  4. 散歩をする(10.7%)
  5. スポーツをする(10.5%)
  6. ドライブや旅行をする(10.0%)

女性に多いストレス解消法

  1. 寝る(34.2%)
  2. 好きな物を食べる(24.5%)
  3. テレビを観る(21.3%)
  4. 音楽を聴く(17.7%)
  5. ゆっくり入浴をする(15.7%)
  6. 買い物をする(お金を使う)(15.6%)
  7. 深呼吸をする(15.0%)
  8. 家族や友人とおしゃべりする(11.2%)
  9. ペットなど動物と触れ合う(11.1%)
  10. 映画を観る(10.2%)
  11. ゲームをする(6.9%)
  12. カラオケに行く(6.6%)
  13. ツボを押す(5.7%)
  14. アロマやお香をたく(5.2%)
  15. SNSをする、ブログを書くなど(4.3%)
  16. サプリメントや薬を飲む(3.5%)
  17. 物を投げる/物を壊す(2.2%)
    引用:ウーマンズラボ「女性が最もストレス感じるのはどの年代?」

高ストレス女性と低ストレス女性 行動の違い

高ストレス女性と低ストレス女性を比較すると、日々の行動に違いがある。低ストレス女性は日頃からしっかりストレスケアをしている。

2つのグループを比較して見えてきた高ストレス女性の特徴は次の通り。

  • 睡眠を7時間以上とる人が少ない(特に平日が少ない)
  • 湯船に浸かる人が少ない(特に平日が少ない)
  • 夕食を家族ととる人が少ない(特に平日が少ない)
  • 土日に仕事をする人が多い
  • 食事でストレス発散をする人が多い
  • 趣味の時間をとっている人が少ない
  • ジムに行く人が少ない
  • 断酒をしている人が少ない
  • 平日にセルフケアをしている人が少ない
    (しかし週末は低ストレス者と同じくらいの割合でセルフケアをしている)

高ストレス女性は低ストレス女性と比較すると、仕事以外のコトに時間を割いていない様子がうかがえる。つまり、高ストレス女性の日常は仕事が日々のメインタスクで、食事や美容・健康などのセルフケアの時間が少ない、ということ。「仕事>プライベート」の日々が、高ストレス女性のストレス要素となっていると考えられそうだ。
引用:ウーマンズラボ「高ストレス女性と低ストレス女性を比較して見えた『行動の違い』」

女性のストレス発散消費

男性よりも女性の方がストレス発散のために行動を起こす傾向があることを踏まえると、女性の方がストレス発散消費は活発と言える。ストレスを切り口にした商品・サービスに反応するのは男性よりも女性だろう。参考までに、ストレス解消にかける金額は以下。

  • 最高金額:200,000円
  • 平均:5,461円
  • 最頻値:1,000円
    (参考:保険クリニック調べ)

ストレス発散法としては、読書、風呂に浸かる、自宅でヨガをする、睡眠時間を増やす、運動する、アロマを楽しむ、など日常生活で手軽に取り組めることもあるが、リラックス効果を多いに実感できるのは普段とは全く異なる環境に身を置くことだ。ヘルスツーリズムや、女子の一人旅、女子ソロキャンプ、トレッキング(山ガール)、神社仏閣巡り(ご朱印ガール)新しい場所でのサイクリングやランニングなどが該当する。これらは一度体験するとハマる女性が多い。

スマホやパソコンでできることが増え、通販も充実し、家にいながらできることが格段に増えた現代社会。さらに最近の生活者の傾向として、” 外出より家中充実派 ” が増えている。家にいる時間が増えたことは、裏を返せば「非日常」に接する機会が少なくなっていることでもある。だからこそ、普段とは異なる環境に身を置く上記のような体験はストレス発散法として効果が高く人気なのだろう。

ストレス発散を切り口としたモノコトに商機

女性はストレスを感じやすくストレスケアのニーズは強いが、「お金」「時間」が障害となり取り組めずにいる女性もいれば、単純にストレス発散方法が分からずに放置している女性もいる。「時間」に余裕がない女性に向けては、時間を奪うことなく手軽に取り組めるストレス発散商品やサービスを提案したい。ストレス発散方法が分からない女性に向けては、商品・サービスの提案の前に、情報を届けるための工夫が求められる。ストレス発散は今の忙しい現代女性たちの関心度が高いキーワード。健康経営や働き方改革により、職場におけるストレス対策も近年注目が集まっている。ストレス発散を切り口としたモノ・コトに商機ありだ。

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