母親の3人に1人が産後のPMS悪化、相談サイトに寄せられる戸惑いや悩み

PMSや産後うつの認知は広がっているが、産後にPMSが悪化することはあまり知られていない。身体症状より精神症状の悪化を訴えるケースが多く、相談サイトには、生理前のイライラや怒り、悲しみなどの感情をコントロールできなくなったことに苦しむ母親が、解決策を求め投稿している。PMS対策アプリ「ケアミー」が実施した調査によれば、母親の3人に1人が「産後のPMSがひどくなった」と感じているという。

産後PMS、3人に1人が「産前よりひどくなった」

PMS対策アプリの「ケアミー」が、20〜40歳の母親400人に産後のPMSに変化があったか聞いたところ、3割超えが「ひどくなった」と回答した。

産後のPMSの状態についてアンケート実施

【出典】ケアミー

 

産後のPMSを感じている人にPMSで困っていることを聞いた質問では、最多が「夫・パートナーの些細な行動にイライラする」で約5割に上った。次いで「子どもの些細な行動にイライラしてしまう」で4割。感情的になったことで自己嫌悪に陥ったり些細なことで落ち込む人は2割で、離婚を考える人は1割に。実際に離婚した人もいた。

PMSが原因の困りごと

【出典】ケアミー

 

PMS対策として実施していることは、トップ3は「睡眠をとる」「無理をしない」「自分を甘やかす」。婦人科での相談やピルといった医療サービスの利用よりもセルフケアで対処する人が多いことがわかった。一方、不調を感じていても3割の人は何も対策していないことがわかった。

PMS対策、何をしてるか?アンケート

【出典】ケアミー

 

本人や夫が、相談サイトに投稿

SNSや質問サイトには、産後の感情の変化に戸惑う本人や夫の声が並ぶ。イライラなどの感情が生理周期と連動していることに気づいていない様子の女性も散見され、産後うつを疑う声も。解決法や対策法を求める投稿者に、同様の経験をした女性たちが共感の声やアドバイスを寄せている。質問サイトの「発言小町(読売新聞社)」を覗いてみた。

事例1:怒りの感情を全く抑えられない

産前の良好な夫婦仲から一変、産後は夫との意見の衝突が増えたという、生後10ヶ月の息子を育児中の女性。喧嘩は決まって生理前が多く、怒りの感情を全く抑えられなくなった。産前もPMSはあったものの比べものにならないほど今は精神症状がひどく、自己嫌悪に。生理前の精神状態の保ち方に悩み、投稿。

 

事例2:産後のPMSが原因、夫は「喧嘩したくないから2人目は欲しくない」

第1子の1歳児を育児中の女性。2人目を希望するものの、1人目の出産後にPMSが悪化し夫婦喧嘩が増えたことから、夫は「これ以上喧嘩したくないから2人目は欲しくない」。女性は、2人目を産んだ後に再びPMSが悪化した場合は薬を服用することも考えているようだが、意見が対立する夫との折り合いの付け方を求めて、投稿。

 

事例3:おすすめの対策は、豆乳、漢方、カウンセリング

産後10ヶ月で生理が再開してから生理前のイライラや落ち込みなどが激しくなり、困惑している1歳児を育児中の女性。自分でも驚くほどの暴言を吐いてしまい、自分自身を恐ろしく感じるという。夫には「生理前だから」と理解してもらっているものの、子どもには、PMSのせいで母親の顔色をうかがわせるようなことはしたくないとの思いから、対策方法を求めて投稿。投稿者同様に産後のPMS悪化に悩んだ経験のある回答者からは、豆乳、漢方薬、ピル、カウンセリングなどがすすめられている。「命の母ホワイト(小林製薬)」「イスクラ婦宝当帰膠B(イスクラ産業)」など、具体的な商品名も。

 

事例4:産後の妻のヒステリーに悩む夫

第1子が誕生して4ヶ月、産後の妻のヒステリーに悩む夫からの投稿。妻が育児に対し極度の神経質になり、怒鳴られることもしばしば。産まれてきた娘をとても大切に思うものの「仕事にも体調にも影響が出て、正直疲れた」と言う投稿者に、「奥様は産後うつかもしれない」「PMSなのでは?」などの回答が寄せられている。

 

 

 

フェムテックレポート ビジネスモデル、需要性、課題

 

 

 

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