女性の疲労回復サプリメント ニーズ・利用実態・商品事例

寝ても疲れがとれない、休日何もせず休んでいたがやっぱり疲れたままー。男性よりも女性に多く見られる疲労に関する悩み。疲労回復は忙しい現代女性の一大テーマとなり、疲労回復市場は拡大傾向にある。各社からは多様な成分・素材を使った疲労回復サプリメントが続々登場し、お疲れモードの女性たちの日々を支えている。最近は日常生活における疲労回復だけでなく、スポーツ後の疲労回復にも注目が集まる。

高まる疲労回復ニーズと拡大するサプリメント市場

男性より女性に多い疲労の悩み

美容・健康の悩みに関する調査を見ると、疲労は男性よりも女性に多く見られることが分かる。JADMA(日本通信販売協会)が行った調査では、以下の項目でいずれも女性の方が男性を上回る結果に。

  • 【肩こり】
    男性:21.3%
    女性:42.8%
  • 【目の疲れ・目の病気】
    男性:26.45%
    女性:34.8%
  • 【疲れやすい】
    男性:21.8%
    女性:29.7%
  • 【疲れがとれにくい】
    男性:21.6%
    女性:29.1%
  • 【ストレス】
    男性:16.1%
    女性:30.8%
    ※JADMA「機能性表示食品制度に関する調査について」をもとに編集部で集計

疲れている女性が多い理由

疲れている女性が多い理由として働く女性の増加が挙げられる。「家事・育児・介護」と「仕事」の両立を担うのは男性よりもいまだに女性が圧倒的に多く、毎日の忙しさで働く女性は疲れ切っている。特に20〜40代女性が疲労を訴える理由としては、PMSや更年期症状による不調を抱えている年代であること、働き盛りであること、そして末子がまだ小さく手がかかることが大きい。ただし年齢やライフステージで疲労の原因は異なる。

  • 例1.親の介護をしながら働く50代女性
    ⇒疲労の原因は、介護
  • 例2.子育てが一段落し、パートとして復職した40代女性
    ⇒疲労の原因は、家事と仕事の両立による忙しさ
  • 例3.子は独立、夫は定年退職、専業主婦60代女性
    ⇒疲労の原因は、亭主関白な夫と過ごす時間が長くなったことによるストレス
  • 例4.正社員としてバリバリ働く独身20代女性
    ⇒疲労の原因は、長時間労働
  • 例5.正社員としてバリバリ働く40代女性
    ⇒疲労の原因は、重い更年期症状

拡大する疲労回復市場

疲労回復の成分・素材市場、拡大の見込み

健康食品、医薬品などの成分・素材の市場調査で富士経済は「抗疲労・滋養強壮」を今後成長が期待される市場とし、2017年の244億円が2022年には299億円に拡大すると見ている。疲労回復市場の拡大が見込まれている理由は以下3つが挙げられる。

  • 過労による疲労改善、セルフメンテナンス意識の高まり
  • スポーツ人口の増加による、リカバリーニーズの高まり
  • 東京オリンピック・パラリンピックに焦点を当て、リカバリー訴求できる素材をサプライヤー各社が積極的に提案していること

滋養・強壮の市場、好調に推移

滋養・強壮訴求商品も好調に推移している。富士経済の調査によると、2017年は前年比108.9%、2018年予測は前年比103.5%。

エナジードリンクでは「レッドブル エナジードリンク」(レッドブル・ジャパン)、「モンスターエナジー」(アサヒ飲料)の高い伸びが続いており、市場拡大をけん引している。栄養ドリンクも各社の積極的な展開によって伸びている。10代から20代の若年層を中心に需要開拓の余地があり、今後も参入各社による市場の底上げが図られるとみられる。滋養・強壮の機能性表示食品は、疲労感の軽減を訴求しており、エナジードリンクでは取り込めない根本的な疲労に対するケアを求める社会人や、中高年層の需要を獲得して、徐々に伸びている。医薬品や医薬部外品のミニドリンク剤との差別化が課題であるが、機能性表示によって可能となった疲労感の軽減という切り口からの市場開拓が期待される引用:富士経済「需要が高まり続ける生活習慣病予防、滋養・強壮訴求商品健康志向食品(”明らか食品”と”ドリンク類”)の国内市場を調査」

スポーツサプリメント市場活況、主役はプロテインとアミノ酸

スポーツ人口の増加で、スポーツサプリメントへのニーズも高まっている。2017年度のスポーツサプリメントの素材別市場構成比を見ると、ボディメイクに欠かせないプロテインが59.1%と市場の大半を占め、次に多いのが疲労軽減・回復のアミノ酸で28.1%矢野経済研究所調べ。女性に人気のAYAさんに代表される「筋肉女子」を中心とした引き締まったボディメイクがトレンドになっていることや、高い疲労回復需要が、スポーツサプリメントの中でプロテインとアミノ酸の構成比を高くしていると考えられる。

 

サプリメントの利用実態と意識

20~79歳女性を対象にしたサプリメントに関する調査結果によると、利用実態と意識は次の通り。

サプリメント摂取目的(20~79歳女性)

  • 1位:不足する成分を補うため(60.0%)
  • 2位:現在の健康を維持するため(44.4%)
  • 3位:健康のさらなる増進のため(31.9%)
  • 4位:特定の症状の不調を改善するため(23.8%)
  • 5位:なんとなく体によさそうだから(23.0%)
  • 6位:病気の予防のため(19.6%)
  • 7位:摂らないよりは摂ったほうがよさそうだから(19.1%)
    ※JDMA「機能性表示食品制度に関する調査について」をもとに編集部で集計

サプリメントを購入する時の重視点(20~79歳女性)

「機能」「価格」「品質」「成分・原料」がほぼ同じ割合。企業サイドの想定よりも意外と重視されていないのが「エビデンス」。

  • 1位:製品の働き・機能(40.4%)
  • 2位:製品の品質・安全性(38.4%)
  • 3位:価格(38.2%)
  • 4位:製品の成分・原料(35.8%)
  • 5位:メーカー・ブランド(29.3%)
  • 6位:購入場所(28.2%)
  • 7位:製品の科学的根拠(27.8%)
  • 8位:製品の製造場所(25.9%)
  • 9位:薬との飲み合わせ(23.4%)
  • 10位:サプリメント同士の飲み合わせ(20.9%)
  • 11位:メーカーの相談対応(18.4%)
    ※JDMA「機能性表示食品制度に関する調査について」をもとに編集部で集計

サプリメントに対する不満・不安(20~79歳女性)

「サプリメントを摂らない理由」の第1位と同じ「本当に効果があるか分からない」が「不満・不安」の1位にランクイン。全年代で半数越えとなっており、効果の伝え方の工夫は必須。「どのメーカーの商品を選べばよいか分からない」が第2位。他社商品との“消費者に伝わる明確な差別化ポイント”をどう打ち出すか?が課題。

  • 1位:本当に効果があるか分からない(58.0%)
  • 2位:どのメーカーの商品を選べばよいか分からない(34.7%)
  • 3位:安全性(30.0%)
  • 4位:摂り続けて問題がないか不安(25.2%)
  • 5位:薬との飲み合わせが分からない(21.8%)
  • 6位:何の成分や栄養素を摂ればよいのか分からない(19.7%)
  • 7位:体に害がないか不安(18.8%)
  • 8位:過剰な広告表現(16.3%)
  • 9位:効果に関する科学的根拠がない(14.3%)
  • 10位:いつ摂取したらよいか分からない(12.3%)
  • 11位:サプリメントの摂りすぎが心配(10.9%)
  • 12位:商品の働き(何に良いのか)が分かりにくい(10.2%)
  • 13位:原料原産地が分からない(9.3%)
  • 14位:製造場所が分からない(5.9%)
  • 15位:相談できる人がいない(5.2%)
  • 16位:相談できる場所がない(4.4%)
    ※JDMA「機能性表示食品制度に関する調査について」をもとに編集部で集計

サプリメントを摂らない理由(20~79歳女性)

1位に「本当に効果があるか分からないから」がランクイン。効果の伝え方を塾考する必要がある。2位には「なんとなく・特に理由はない」が約3割。この層は新規顧客開拓の対象としてに大いに期待できるだろう。6位の「どのメーカーの商品を選べばよいか分からないから」にも注目。企業には「明確な他社との差別化」を打ち出す戦略が求められる。

  • 1位:本当に効果があるか分からないから(45.4%)
  • 2位:なんとなく・特に理由はない(28.6%)
  • 3位:安全性に不安があるから(21.7%)
  • 4位:体に害がないか不安だから(19.7%)
  • 5位:摂り続けて問題がないか不安だから(17.7%)
  • 6位:どのメーカーの商品を選べばよいか分からないから(15.4%)
  • 7位:過剰な広告表現だから(13.6%)
  • 8位:何の成分や栄養素を摂ればよいのか分からないから(13.4%)
  • 9位:薬との飲み合わせが分からないから(11.7%)
  • 10位:効果に関する科学的根拠がないから(11.3%)
  • 11位:サプリメントの摂りすぎが心配だから(10.9%)
  • 12位:商品の働きが分かりにくいから(9.4%)
  • 13位:原料原産地が分からないから(6.1%)
  • 13位:いつ摂取したらよいか分からないから(6.1%)
  • 15位:製造場所が分からないから(3.8%)
  • 16位:相談できる人がいないから(3.1%)
  • 17位:相談できる場所がないから(2.6%)
    ※JDMA「機能性表示食品制度に関する調査について」をもとに編集部で集計

疲労回復の提案が響く年齢層

「年齢階級別にみた休養充足度の割合平成28年 国民生活基礎調査 厚生労働省」の調査結果では「睡眠による休養をとれていない」と回答したのは1位:40代、2位:50代、3位:30代だった。「疲労回復の商品・サービスが響きやすい年齢層」は40代、50代、30代と言えるだろう。詳細は以下記事をチェック。

 

各社の疲労回復サプリメント、食品

ここからは、「疲労回復」「活力」をテーマにしたサプリメント、食品事例を紹介。口コミ評価が断トツ高いのはグリコの商品。DHCは価格の安さが支持されるも、効果の面で「効いてるような、効いてないような」の声が多数。

グリコ

スポーツを軸にした商品を展開。そのうち疲労・回復系商品は25種類。筋トレやランニングなど、運動後や運動前などのタイミングに摂取する。ネット上の口コミを確認すると「値段は高いが、おいしいし効果を実感できる」と一律評価が高い。スポーツトレーナーに「疲労回復ならグリコの商品がいい」とおすすめされて購入したとの声も。特にアスリートからの人気が高い。

グリコ パワープロダクション エキストラ アミノアシッドプロテイン

DHC

コエンザイム(機能性表示食品)

一過性の疲労感軽減用。「疲れがとれた『気が』する…」「なんとなく、疲れなくなったかも…?」「効果はあまり感じられない」「効果を得たかったら高い商品の方が良いかも」といった「うーん…微妙」という声が目立つ。評価されているポイントは、小粒のサプリメントのため飲みやすいことと、買い置きしても場所をとらない点。値段の安さも評価されているが、安さがかえって不安になっているユーザーもチラホラ。

イミダゾールペプチド

ヘトヘト感から抜け出したい人用。上記と同様のコメントが目立つ。「DHCのサプリは全体的に効果が薄い」との意見も。評価ポイントは値段の安さ。

サントリー

黒酢にんにく

元気食材「黒酢」と「にんにく」を配合。累計100万人突破、満足度は96%(同社調査)。

ローヤルゼリー

活力と若々しさを訴求。ローヤルゼリーとセサミン配合の40代半ば以降の女性向けサプリ。

大塚製薬

コエンザイムQ10

エネルギー産生に必要な成分、コエンザイムQ10。

高麗人参

活力サポート、ストレス緩和の高麗人参抽出物配合サプリ。

明治

運動直後の筋肉疲労回復・体の疲労回復に、「炭水化物」と「たんぱく質」摂取をすすめる明治は以下2商品を推奨。

運動により、筋肉に貯め込まれていたエネルギー(グリコーゲン)が消耗します。ですから、運動後いかに効率よく「炭水化物(糖質)」を補給するかが、エネルギー消耗による疲労回復のポイントになります。(略)筋肉は水分を除くと約80%がたんぱく質ですから、運動後の疲労回復のためには、筋肉の修復材料となるたんぱく質が欠かせません。ハードな運動をした後は、必ず炭水化物(糖質)に加えて、たんぱく質を摂ってほしいものです。引用:「ザバス栄養講座:疲労回復」

SAVAS

理想の筋肉づくりをサポートするプロテイン。

ピットインエナジーゼリー

運動前・運動中のエネルギー補給用。特に、運動直後の速やかな食事代わり(糖質補給)としての利用を同社は推奨。

疲労回復サプリメントの知識を深める参考情報

 

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