女性の疲労回復サプリメント ニーズ・利用実態・商品事例(1/3)

寝ても疲れがとれない、休日何もせず休んでいたがやっぱり疲れたままー。男性よりも女性に多く見られる疲労に関する悩み。疲労回復は忙しい現代女性の一大テーマとなり、疲労回復市場は拡大傾向にある。各社からは多様な成分・素材を使った疲労回復サプリメントが続々登場し、お疲れモードの女性たちの日々を支えている。最近は日常生活における疲労回復だけでなく、スポーツ後の疲労回復にも注目が集まる。

高まる疲労回復ニーズと拡大するサプリメント市場

男性より女性に多い疲労の悩み

美容・健康の悩みに関する調査を見ると、疲労は男性よりも女性に多く見られることが分かる。JADMA(日本通信販売協会)が行った調査では、以下の項目でいずれも女性の方が男性を上回る結果に。

疲れている女性が多い理由

疲れている女性が多い理由として働く女性の増加が挙げられる。「家事・育児・介護」と「仕事」の両立を担うのは男性よりもいまだに女性が圧倒的に多く、毎日の忙しさで働く女性は疲れ切っている。特に20〜40代女性が疲労を訴える理由としては、PMSや更年期症状による不調を抱えている年代であること、働き盛りであること、そして末子がまだ小さく手がかかることが大きい。ただし年齢やライフステージで疲労の原因は異なる。

  • 例1.親の介護をしながら働く50代女性
    ⇒疲労の原因は、介護
  • 例2.子育てが一段落し、パートとして復職した40代女性
    ⇒疲労の原因は、家事と仕事の両立による忙しさ
  • 例3.子は独立、夫は定年退職、専業主婦60代女性
    ⇒疲労の原因は、亭主関白な夫と過ごす時間が長くなったことによるストレス
  • 例4.正社員としてバリバリ働く独身20代女性
    ⇒疲労の原因は、長時間労働
  • 例5.正社員としてバリバリ働く40代女性
    ⇒疲労の原因は、重い更年期症状

拡大する疲労回復市場

疲労回復の成分・素材市場、拡大の見込み

健康食品、医薬品などの成分・素材の市場調査で富士経済は「抗疲労・滋養強壮」を今後成長が期待される市場とし、2017年の244億円が2022年には299億円に拡大すると見ている。疲労回復市場の拡大が見込まれている理由は以下3つが挙げられる。

  • 過労による疲労改善、セルフメンテナンス意識の高まり
  • スポーツ人口の増加による、リカバリーニーズの高まり
  • 東京オリンピック・パラリンピックに焦点を当て、リカバリー訴求できる素材をサプライヤー各社が積極的に提案していること

滋養・強壮の市場、好調に推移

滋養・強壮訴求商品も好調に推移している。富士経済の調査によると、2017年は前年比108.9%、2018年予測は前年比103.5%。

エナジードリンクでは「レッドブル エナジードリンク」(レッドブル・ジャパン)、「モンスターエナジー」(アサヒ飲料)の高い伸びが続いており、市場拡大をけん引している。栄養ドリンクも各社の積極的な展開によって伸びている。10代から20代の若年層を中心に需要開拓の余地があり、今後も参入各社による市場の底上げが図られるとみられる。滋養・強壮の機能性表示食品は、疲労感の軽減を訴求しており、エナジードリンクでは取り込めない根本的な疲労に対するケアを求める社会人や、中高年層の需要を獲得して、徐々に伸びている。医薬品や医薬部外品のミニドリンク剤との差別化が課題であるが、機能性表示によって可能となった疲労感の軽減という切り口からの市場開拓が期待される引用:富士経済「需要が高まり続ける生活習慣病予防、滋養・強壮訴求商品健康志向食品(”明らか食品”と”ドリンク類”)の国内市場を調査」

スポーツサプリメント市場活況、主役はプロテインとアミノ酸

スポーツ人口の増加で、スポーツサプリメントへのニーズも高まっている。2017年度のスポーツサプリメントの素材別市場構成比を見ると、ボディメイクに欠かせないプロテインが59.1%と市場の大半を占め、次に多いのが疲労軽減・回復のアミノ酸で28.1%矢野経済研究所調べ。女性に人気のAYAさんに代表される「筋肉女子」を中心とした引き締まったボディメイクがトレンドになっていることや、高い疲労回復需要が、スポーツサプリメントの中でプロテインとアミノ酸の構成比を高くしていると考えられる。

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