ブランディングとは?重視される背景と成功へ導くポイント(1/3)

ブランドを説明する際に単に商品説明と混同している例が見られるが、ブランドと商品名の違いはなんなのか?また、ブランドの設定により生まれる「ブランドアイデンティティ」や「ブランディング」はどのような役割を持っているのか?ブランドは製品やサービスだけでなく、社名そのものがブランドになることもある。その意味でブランドとは企業側にとって単に商品の企画担当者だけが意識すべきことではなく、店舗販売者や製造担当、広報担当など関わる全ての人が理解し共有すべき重要な概念となる。

ブランディングの基礎知識

ブランドとは

ブランドとは、自社の商品やサービスに差別化や優位性をもたらし、固有性を保護する概念のこと。消費者に、他社商品・サービスと区別してもらうことが目的。一般的には高級なものをさして使用することが多いため「ブランド=高級品」との印象が強いかもしれないが、そうではない。実際に「ブランド」は様々な価格帯の商品やサービスに取り入れられており、消費者が特定の商品やサービスを識別する上で役に立っている。

同じような商品・サービスでも、ブランドの有無や強弱により、顧客の感じる価値が変化する。例えば成分が全く同じ化粧水があった場合、消費者はブランドがない化粧水よりも、親近感のあるブランドや安心・信頼できるブランド、知名度の高いブランド、高級感のあるブランドを選択する。

ブランディングの意味

消費者が共通のイメージを抱けるようにするために「どのようなブランドを構築するか?」を検討する企業活動のことを「ブランディング」という。ブランディングにより、商品・サービスの持つ価値を向上させたり、消費者への認知拡大、差別化の確立を目指す。

誰が見ても明白に理解できるようなブランドイメージを確立することが大切で、ブランディングを効果的に行うためには「ブランドアイデンティティ」が重視される。「ブランドアイデンティティ」とは、「ブランドの独自性を示す概念」と考えるとわかりやすい。例えば「長野県の天然水を利用した製品」をブランドアイデンティティとして設定したとしよう。この考え方を軸にしながら、化粧水や飲料、健康食品などを展開すれば、製品カテゴリーは全く違っても「長野県の天然水を利用した」という共通のブランドアイデンティティを消費者に感じさせることができる。結果、例えばロゴを見ただけで言葉の説明無しに「長野県の天然水を利用した」製品であることが伝わるようになる。

ブランディングが重視される背景

1.品質面での差別化が難しくなった

ブランディングが重視されるようになった大きな理由として、市場に流通する商品の品質が全体的に高まったことが挙げられる。企業規模に関わらず、各社の商品企画力や生産技術力、品質管理力は向上しており「あの工場や企業でしか作れない」というものは少なくなっている。打開策として価格や付加価値で商品の差別化を図ったとしても、当然ながら価格勝負は利益を生みづらい状況を招く。そこで有効なのがブランディング。他社による模倣が容易ではなく、消費者に他社と同列に認識されることもない。自社ならではの強みを表現する手段としても最適だ。

2.消費者が扱う情報の量が増えた

もう一つの理由がインターネットの普及だ。情報はWEBサイト、SNS、スマホアプリなど多様なルートを通じて消費者に届くが、消費者は常に膨大な情報に触れているため、情報はすぐに忘れ去られてしまう。

一方で企業側は消費者に情報を届ける上で競合する企業が多く、商品やサービスを認識してもらったり、中長期にわたり自社商品・サービスを覚えてもらうことは容易ではなくなっている。例えば「化粧水」で検索すると、検索結果には膨大な化粧品が表示されるが、有名ブランドの化粧品や認知度が高い化粧品ではない限り、その中から自社製品を認識・購入してもらうことは至難の業だ。広告出稿により認知を高める施策もあるが、膨大な情報のシャワーを浴び続ける消費者がじっくり広告を見てくれることはそうない。単に情報発信をするだけでは不十分で、「膨大な情報が流通する中、いかに自社商品・サービスに注意を向けてもらうか?」が重要になってくる。その際、役立つのが消費者に特別な感情や価値を持たせることができる「ブランディング」だ。

3.購買行動が自己実現の手段になった

マズローの欲求5段階説にもあるように、人は段階的に「欲求=消費行動の志向」が上がっていくことが知られている。実際、経済成長とともに消費者の消費行動の志向は変化している。これまでの消費者は「他人の持っているものを自分も欲しい」といった物質的欲求を満たす志向だったが、現在はさらに1段あがり「物質的欲求だけでなく、心理的な欲求も満たしたい」という志向に変化している。例えば自分が購入した化粧水の効果をインスタグラムに投稿して、フォロワーから褒められたい。誰も知らない海外のブランドを入手してSNSを通じてユーザーとして先取り感を味わいたい。などがその例。ブランドの持つ価値が消費者のこのような心理的欲求を満たし自己実現につながることがあるので、消費者が感情移入できるブランドイメージの構築が大切だ。

新着ニュース