健康行動を促進する空間デザイン、3事例

ショッピングモールなどの大型施設や店舗に客を呼び込む方法として、「健康行動を促進する空間デザイン」はどうだろう。特に健康を気遣う中高年層を取り込みたいなら、効果は高そうだ。千葉大学予防医学センター、イオンモール、竹中工務店は協働で、「健康への気づき」を促す空間デザイン・プログラムの効果検証をイオンモール宮崎(宮崎市)で実施した。日常生活のなかで「健康への気づき」を得ることにより、健康維持・増進のための行動を促すのが目的だ。イオンモール宮崎内では次のプログラムが実施された。施設内では誰もが自由に利用できるようになっており、プログラムを利用することで「健康への気づき」が得られるよう工夫されている。

健康行動を促進する空間デザイン

歩幅をチェック「ステップウォーキング」

歩幅をチェックできる床面サインでは、年代別、身長別の歩幅ラインと利用者自身の歩幅を比べられる。

出典:国立大学法人千葉大学

記憶や想像力にはたらきかける「クライムウォーキング」

利用者が階段を上りたくなるよう、階段室内にメッセージを設置。設置されているのは効果音や童謡から記憶を呼び起こすプログラム。

出典:国立大学法人千葉大学

歩く速度や姿勢をチェック「バランスウォーキング」

歩行年齢測定システムで速度、姿勢、バランスをチェックすると、自分の歩行状態・歩行年齢がわかる。

出典:国立大学法人千葉大学

プログラムの利用が施設に来る目的に

利用者層の調査とアンケートを実施し効果検証したところ(※1)、 健康無関心層の7割が「プログラムを通じて、自分の体や健康について意識を向けるきっかけになった」と答えたとのこと。健康関心層だけでなく、無関心層にも効果を与えていることがわかった。また全体の4割が「プログラムを利用することは、イオンモール宮崎に来る目的の1つとなっている」と答えたという。

ショッピングモールなどでブースを設け健康測定を開催するイベントを最近よく見かけるが、申し込み手続きだったり時間が取られたりなど、利用者に若干の”敷居”や”面倒”を感じさせてしまうのが課題。しかし空間に自然と組み込まれているプログラム化された健康測定なら、手軽に時間を取られるずに利用できる。健康無関心層や、健康意識の低い子どもや若い世代であっても楽しくチャンレジしたくなる。新たに人を呼び込むマーケティング手法として広がっていきそうだ。

(※1)アンケート回答者の年代:10代(7.4%)、20代(23.5%)、30代(20.8%)、40代(15.4%)、50代(14.8%)、60代(11.4%)、70代以上(5.4%)。

 

 

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