年間で健康にかける平均金額は約13万円、中高年女性が求める健康サービスとは?
50〜70代女性が1年間で健康のために使ったお金は128,829円。中高年女性向けの人気雑誌『ハルメク』が実施した調査でわかった。調査では項目別にも消費金額を聞いており、全体で最も消費が大きいのは「運動サービス」だった(調査:「健康に関する調査」,50~79歳の女性476名,2023.10)。
- 1位:運動サービス(フィットネスジムなど)…35,567円(金額構成比27.6%)
- 2位:医薬品…22,876円(17.8%)
- 3位:サプリメント…19,767円(15.3%)
- 4位:マッサージ、整体…17,457円(13.6%)
- 5位:健康食品…12,062円(9.4%)
- 6位:運動グッズ、健康器具…5,381円(4.2%)
- 7位:睡眠・入浴グッズ、サービス…5,080円(3.9%)
- その他…10,639円(8.3%)
60代と70代については、全体の健康消費のうち3割を「運動サービス」が占めた。背景にあるのは「長生きはしたくないが、健康寿命は延ばしたい」という意識で、「健康に関する事柄で重視したいことは?」という質問では、いずれの年代も約9割が「一生自分の足で歩きたい」と回答した。
そもそも、多くの中高年女性にとって健康とは「自分のことを自分でできる状態であること」。「自分にとって”健康である”とはどういう状態か?」という質問では、次の回答が寄せられた。
- 自分の足で歩き、頭で考え、自分の歯で食べる(56歳,富山県)
- 体の不調を気にせず億劫がらずに、自分で普通に一通りのことができること(59歳,北海道)
- いくつになってもお話がちゃんとできて、億劫がらず物事をこなし、自分で歩ける体を持つ(60歳,長野県)
- 人に頼らず、日常生活が維持できる、歩ける、なんでも食べられる、病院のお世話にならない(66歳,東京)
- 朝スッキリ目覚め、やるべきことをキチンとこなし、面倒がらずに食事を作り、それを美味しく頂く。そして夜にぐっすり寝られること(70歳,神奈川県)
- 他人に頼らず、一人で生活できる事(77歳,埼玉県)
自分のことをいつまでも自分でできる体づくりの方法として、運動サービスに最もお金をかけている女性が多いことが調査を通じて明らかになったが、一方で、運動サービスは他者とのコミュニケーションニーズを満たす側面も支持されている様子。フィットネスジムや運動教室などの運動サービスを利用している女性に、利用している理由を尋ねたところ、次の声が寄せられた。中高年女性が求める健康サービスの条件は、「予防」と「コミュニケーション」の両輪と言えそうだ。
- 筋力をつけ、体脂肪を減らす。好きな時に行けるし、行けばコーチや顔見知りの方と話したりもできるから(55歳,埼玉県)
- カーブスを利用している。30分で終わり友達と話せるから(61歳,埼玉県)
- 居場所がある(63歳,静岡県)
- 大人の社交場(65歳,静岡県)
- おしゃべりによる情報交換(66歳,神奈川県)
- 自宅から通いやすい場所にある。スタジオレッスンで身体の使い方を毎回得られることが新鮮。知り合いが多くなりお互いに励ましあえる(68歳,東京都)
- 同じ年代の人とのコミュニケーションをとる(70歳,埼玉県)
- 先生から毎週貴重なお話がきけるので(73歳,東京都)
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