障害を持つ人が抱える“苦労”は? 実態とニーズを調査 厚労省
障害を持つ人の生活の実態とニーズの把握を目的とした調査「令和4年生活のしづらさなどに関する調査」の結果を、厚労省が公表した。5年に1度の調査で、今回で3回目。結果によると、障がい者手帳を持つ人は推計で610万人。内訳は身体障がい者手帳の保持者が415.9万人、精神障がい者保健福祉手帳の保持者が120.3万人、知的障害のある人が持つ療育手帳の保持者が114万人だった(※)。障がい者手帳を持たない人も含めると、総数は1164.6万人で、人口の約9.3%を占める。今回の調査では、新たな設問として視覚・聴覚・歩行など日常生活における”苦労の度合い”についても尋ねており、障害を持つ人が最も苦労することは、「歩行」で約6割に上った。思い出したり集中するなどの「認知」については約5割が苦労すると回答した。(※)障がい者手帳保持者数の内訳には重複があるため、合計と内訳は一致しない
- 歩行における苦労…59.8%(多少苦労・とても苦労・全くできないと回答した人の合計)
- 認知における苦労…50.9%
- セルフケアにおける苦労…44.8%
- 視覚における苦労…38.7%
- コミュニケーションにおける苦労…38.2%
- 聴覚における苦労…18.4%
食事や排泄、入浴、買い物などの日常生活を自力でできるかといった日常生活の”しづらさ”の状況についても尋ねた。自分ではできず介助を必要とする項目で多いのは(全部介助または一部の介助が必要な人の合計)、「買い物をする(28.6%)」「身の回りの掃除、整理整頓する(24.5%)」「お金の管理をする(22.5%)」「食事の支度や後片付け(22%)」「洗濯する(21%)」。
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