惣菜の市場規模は過去最高の11兆円へ、 物価上昇の受容性に限界も“利便性・タイパ”の意識トレンドが後押し
日本惣菜協会は今月、国内の2024年の惣菜市場規模が前年比102.8%の11兆2,882億円となり、過去最高を更新したと発表した。販売数量の実質的な伸びよりも価格上昇による名目上の拡大との見方もあるが、コロナ禍からの回復や社会構造の変化に伴う中食ニーズの高まりが押し上げた。
業態別では、「惣菜専門店」が前年比104.4%と最も高い伸びを示し、「CVS」や「スーパー」も堅調。カテゴリー別では「調理パン」と「調理麺」が大きく伸びた。
消費者については、前年よりも惣菜に対する価格感受性が高まっており、76.0%が価格上昇を実感していることがわかった。家計調査ではエンゲル係数が28.3%と43年ぶりの高水準に達し、食費の比重が重くなっていることから、惣菜の「値上がり」に対する受容性にも限界が見え始めている。それでも惣菜が消費者に選ばれ続けるのは、利便性やタイパを重視する意識トレンドが背景にあり、同協会は「惣菜は“高くても買う”のではなく「“手間に見合うから買う”商品へと変化している」とコメントしている。
【編集部おすすめ記事】
■働くママの自炊意識・行動・タイパ向上の方法を調査 重要視は栄養バランスでも面倒
■機能性表示食品市場規模は7,274億円マルチヘルスクレームがトレンド サプリも再拡大
■2025年の食トレンドは健康志向×コミュニケーション トレンド予測
■女性の健康意識・健康行動・ヘルスリテラシーがわかる 33記事
■健康食品市場の最新動向と今後の展望 2024〜2025
■女性に人気の健康グッズの共通項「健康消費を起こす新基準」