タイ経済を促進する2024年の注目テクノロジー、トップ10に「ヘルスケアのデジタルツイン」
タイで今年7月に開催された「タイ技術ショー2024」で、タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)が、「2024年に注目すべき10のテクノロジー」を発表した。取り上げたテクノロジーは、タイの経済成長促進と国民のQOL向上に寄与し、今後5~10年の間に社会に好影響を与えると期待されるもので、タイで急速に進展する高齢化社会を見据えた医療需要や、世界のテクノロジー動向、国内外の先進テクノロジーの活用事例などを踏まえた。
- 人工筋肉
- ヘルスケアのためのヒト腸内細菌
- ヘルスケアにおけるデジタルツイン
- AIを活用したソフトウェア開発
- AIウェアラブルテクノロジー
- プライバシー強化技術 (PET)
- セキュリティロボット
- 直接バッテリーリサイクル技術
- モビリティのための水素
- 次世代循環型養殖システム(RAS)
10のテクノロジの一つが、「ヘルスケアにおけるデジタルツイン」。デジタルツインは、現実世界から取得するデータをもとに仮想空間に全く同じ環境を再現する技術のことで、動作や状態を仮想空間でシミュレーションできる。用途は幅広く、疾患予測や仮想空間でのシミュレーション手術など、医療・健康分野での応用も期待されている。日本では富士通や日立、NECなどがデジタルツインソリューションの開発・提供を進めており、国内では生成AIと並ぶ注目テクノロジー(ガートナージャパンが先日発表した日本のハイプ・サイクル2024では、「デジタルツイン」は「生成AI」と同じく「過度な期待のピーク期」に位置付けられている)。
NSTDAによるとタイにおける実例はまだないものの、ASEAN地域での拡大が計画されているという、シンガポール発の糖尿病患者向けの慢性腎臓病予測システムHealthVector Diabetes(Mesh Bio社)をはじめ、大手企業やスタートアップ各社によるデジタルツインの開発・活用が今後タイ国内でも期待されるとのこと。
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