スリープテックの市場規模は急速に成長、93億円から160億円へ
矢野経済は先月末、2023年の国内のスリープテックの市場規模を95億円、2027年には160億円へ拡大するとの予測を発表した。スリープテックは、ITやAIを活用して睡眠の状態を可視化し、改善をサポートする製品・サービスを指し、スマホアプリ、リストバンドや指輪型デバイス、ヘッドセット、寝具センサーなどが該当する。市場規模の算出にあたっては、スリープテック関連製品のサービス・システムの利用料、アプリ使用料を対象とした。
- 2020年…30億円
- 2021年…45億円
- 2022年…60億円
- 2023年…95億円
- 2024年…125億円
- 2025年…140億円
- 2026年…150億円
- 2027年…160億円
睡眠の改善は社会課題として重要視されており、医療機器・医薬品だけではなく、寝具や機能性表示食品など、さまざまな製品・サービスがこれまで展開されてきた。こうしたなか、新たな市場としてスリープテック市場が創出され、近年注目を集めている。
スリープテック市場には、医療機器メーカー、ヘルスケア企業、寝具メーカー、電機メーカー、情報通信企業、大学発スタートアップなどが参入しており、異業種の連携も活発化している。法人向けサービスとして健康経営の観点からも注目されており、従業員の睡眠改善を通じて、生産性向上や健康リスク軽減を図る取り組みが進んでいる。
注目の動向は、睡眠のエンターテインメント化。エンターテインメント領域において睡眠の価値向上が注目され、睡眠そのものを楽しむという新たなアプローチとして、ゲームアプリやストーリー性のあるコンテンツを活用した睡眠促進サービスが広がっている。例えば、睡眠時間や質をゲームの進行要素として組み込むことで、ユーザーが自然に良質な睡眠を取るよう促すスマホアプリや、物語の世界観と連動しながらユーザーが心地よく入眠できる環境を整えるといった、睡眠と読書を組み合わせたリラクゼーションアプリなど。
これまでスリープテック市場では、計測や分析、改善提案が主流であったが、睡眠そのものに有意義な価値をもたせるアプローチが求められるようになってきたことから、同社は「今後は、ゲーム、音楽、読書などのエンターテインメントと睡眠の融合が進み、より幅広い層に向けたスリープテックサービスが拡大していくことが期待される」と分析している。また今後の市場拡大においては、法人向けサービスや無関心層へのアプローチが鍵を握っているとし、エンターテインメント要素の活用や福利厚生への組み込みなど、新たな取り組みが必要だとしている。
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