【男女の違い vol.1】配偶者に介護してほしい男性と、してほしくない女性 意識差の背景は?
40代以上の男女を対象に調査を実施したところ、配偶者に介護してほしいと希望する男性は67.8%に対し、女性はほぼ同数の65.2%が「配偶者の介護を希望しない」と回答したことがオリックスリビング調べで分かった。(参照:わかる介護「55.1%が『介護離職ゼロ』を正しく理解せず―オリックス・リビング調査」,2016)
妻に面倒を見てもらうのは「当たり前」
なぜ男女でこれだけの大きな差が出るのか?考えられる大きな理由に「固定的性別役割分担」が挙げられる。いわゆる「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方だ。内閣府による「固定的性別役割分担意識(平成21年)」に関する調査では、男性の45.9%が、女性の37.3%が賛成と答えており、共働きが増えている若い世代の間では家事・育児を夫婦で分担する人も増えてきているとはいえ、やはり男性の側でまだまだその意識が強いことがうかがえる。
食事作り、後片付け、掃除、洗濯…と、家事のそのほとんどを妻が担当している場合、夫にとって妻は「身の回りのことを世話してくれる存在」でもある。身の回りのことをしてもらうことを当たり前と思って数十年過ごしてきているのだから、自分の健康状態が変化して要介護となったとしても、引き続き「妻に面倒を見てもらう」と考えるのは自然なのかもしれない。
一方で妻は、自分の身の回りのことは自分でやるのが当たり前と思って結婚生活を送ってきている。言い換えれば、「他の誰かに身の回りの世話をしてもらいながら生活をする」という意識は薄い。「自分が要介護になった時に配偶者に頼る」という考えが男性程強くない理由と言えそうだ。また、夫含め家族の世話や面倒を見ることがいかに大変か?を長年の経験から理解しているからこそ、他者(夫や子供)に迷惑をかけたくないという自立心が強いのだろう。
「夫の親の面倒」も、妻が見るのは当たり前?
「配偶者の介護」に関する男女間の意識の差にも驚くが(女性側から見ると「納得」かもしれないが)、「家族の介護」に対する意識はもう少し複雑だ。家族とは「夫の両親」のことだ。妻は自分の親が要介護となった時に「自分が介護をする」という意識や備えがあり、日頃から親の健康への配慮を欠かさないが、夫の場合「自分の父親・母親に何かあったら妻が介護する」と、何となく当たり前のように考える男性は多いのではないだろうか。
意識は時代とともに変わってきているとはいえ、固定的性別役割分担意識が強い中高年世代ではそのような考えを持つ夫も未だ多く、実際にQ&Aサイトや女性の交流サイトでは以下のような悩み相談が目立つ。
- 嫁が夫の親の介護をするのは当然なのでしょうか?
- 姑を面倒見ないなら離婚だと夫から言われました…
- なぜ夫の親は、嫁(私)の介護を当たり前のように頼ってくるのでしょうか…
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