4月導入の妊婦加算、批判の声多数 妊婦の7割が反対

妊婦の医療負担が増える「妊婦加算」が2018年4月から始まった。妊婦が医療機関を受診すると、新たに料金が上乗せされる(以下図)。妊婦の診察では薬の処方などにおいて特別な配慮が必要となるため、というのが理由。

議論があったのは去年10月の診療報酬を決める協議会。議事録を見ると厚生労働省が、“妊娠した方が外来に来ると、投薬する際に胎児に影響が無いかなど配慮した診察が必要です。それに対して評価(加算)を検討してはどうか”と提案しています。妊娠している人が安心して受診ができる環境づくりが加算の目的のようです(引用:NHK NEWS WEB「知らなかったわ、妊婦加算」)

認知度わずか3割

制度開始からすでに半年が経過するが、徹底した周知が行われていなかったため、妊婦加算が4月にひっそり始まったことを知らない人は多い。アプリ開発を行うカラダノート(東京・港)が10月に実施した調査によると、妊婦加算について妊婦の認知度はわずか3割だった。

妊婦加算認知度

出典:カラダノート

妊婦加算が始まって半年たった今、妊婦加算に批判の声が集まっているのは、ある妊婦がTwitterに「病院で会計するまで妊婦加算について知らなかった」と投稿したことがきっかけだ。Twitter上には圧倒的に反対派の声が目立つ。

67.4%が妊婦加算に反対

カラダノートが行った調査によると妊婦加算制度について、67.4%(1,201名)が反対と回答。

・出産以降もお金がかかるので負担が増えるのは嫌
・少子化を懸念するならむしろ逆効果
・妊婦への配慮が他の疾病への配慮と何が違うのかわからない
・妊娠を申告しない人も少数ながら出てくるのではないか
・ちょっとの風邪やケガくらいなら我慢しようと思う

一方で医療の安心、充実を期待する声もあったという。

・加算によって妊婦に真剣に向き合ってくれる医師が増え、安心な医療が受けられるようになればいいと思う
・特別な処置を行う上で必要な経費なのであれば加算はいいと思う。その分ちゃんと適正な対応処置はしてもらいたい
・妊婦だからといって診察を断られることが少なくなると思う

厚労省、11月に「周知の協力依頼」通知

Twitterを中心に批判の声が噴出していることを受けてか、厚生労働省は11月2日に、各都道府県などに妊婦加算の周知について協力依頼(妊娠中の健康管理及び妊婦加算の周知について)を通知している。

ただ、これだけ少子化が叫ばれている中で女性たちの理解を得るのは難しいだろう。以下の投稿にもあるように、生活者と医療関係者それぞれの意見に理解はできるものの、上乗せされた料金に対して具体的にどのような配慮がされるのか加算基準の明示がなければ、周知の徹底だけでは反対の声ばかりが高まるのでは。また、前述の妊婦らの声「妊娠を申告しない人も少数ながら出てくるのではないか」「ちょっとの風邪やケガくらいなら我慢しようと思う」、にあるように妊婦加算の料金を高いと思う妊婦を中心に、妊婦加算制度がかえってリスクになる危険性もはらんでいる。

以下はNHK記者による厚生労働省への取材の際のやりとり。なんともあいまいだ。

(記者)妊婦を診察したら、それで加算となるのでしょうか。こういう配慮を行ったら加算できる、ということは具体的にないのでしょうか。

(厚生労働省)具体的には決められていません。ただ診察することで加算があれば、影響がない薬を調べて丁寧に説明するといった質の高い診察をする動機づけになると思っています。(引用:NHK NEWS WEB「知らなかったわ、妊婦加算」)

 

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