30代女性の消費行動・特徴・価値観・関心事(1/4)

トレンド感度が20代の時よりも落ち着き、自分に合ったモノコ・トを選択して消費をする30代は、トレンドや話題性、新規性や好奇心だけで新しい商品・サービスに無条件に飛びつくことはそうない。生涯の中でライフコースが多様化し価値観やライフスタイルが大きく変化するのは、一般的には30代。30代女性の価値観、興味・関心・悩みゴト、消費行動の特徴を、ライフコース別に解説。

(※)以下では30代女性を「シングル」「DINKS」「DEWKS」「専業主婦」の4クラスターで紹介しています。クラスターごとの違いを分かりやすく解説するために各クラスターの特徴を完結にまとめていますが、多様性が進む昨今はクラスターの特徴があてはまらないケースもあります。また「DEWKS」「専業主婦」に関しては、子の年齢や子の数によって「消費傾向」「時間の使い方」「生活行動」などは異なります。以下は各クラスターの概略としてご覧ください。

30代女性の特徴とライフコース

30代女性の特徴

現在の30代女性は、「ポスト団塊ジュニア世代(1975〜1981)」と「さとり世代(1983〜1994年生まれ)」に該当する。さとり世代が今の30代の大半を占めているため、同じ30代でもポスト団塊ジュニア世代とさとり世代では異なる価値観を持っているが、共通しているのは、幼少期の時代背景や、デジタルネイティブ世代である点、そして、新しい生き方・働き方などで新しいスタイルを切り開いてきたこと。今の30代の特徴を見てみよう。

  • 幼少時代にバブル経済が到来
  • 父親は仕事、母親は専業主婦という家庭が標準だった時代に成長
  • 親子関係が友だちのように仲良しでラフな関係に変化
  • 20代の時にフリーターという働き方が広がった
  • 高学歴にもかかわらずフリーターやニートになるワーキングプアが登場
  • 同世代で収入格差が広がっている
  • デジタルネイティブ世代で、学生時代に携帯電話やインターネットが普及
  • 情報化社会の中で学生時代・社会人生活をスタートし、20〜30代にかけて価値観・生き方・働き方の選択肢が増えライフコースの多様化が急速に進んだ
  • 年齢の上昇とともに国内の未婚率は上昇、晩婚化・晩産化が進む中で30代を迎えた。未婚、晩婚、晩産など結婚や出産に対する価値観が大きく変化
  • 「働く女性」「働くママ」「産休・育休」「仕事と家事・育児の両立」「少子化問題」など国内の課題や働き方改革においてその渦中にいるのは現20〜40代女性で、特に結婚・出産のライフイベントが多くの女性にやってくる30代がその中心。女性に優しい社会の到来を歓迎しつつも、現実はギャップがあり、社会や企業からの重圧に少々疲れ気味

30代女性のライフコース

30代はライフコースが一気に枝分かれし多様化していく時。日本における女性の平均初婚年齢(2016年)は29.4歳であることを考慮すると(平成30年版 少子化社会対策白書)、多くの女性は30代で結婚、妊娠・出産、出産による離職(休職)などのライフイベントが一気にやってくる。

さまざまなライフイベントに直面する30代の女性にとって、30代の10年間は「結婚をするのか?しないのか?」「子どもを産むのか?産まないのか?」「仕事を続けるのか?辞めるのか?」など大きな決断を迫られる時期でもある。

近年は40代で妊娠・出産する人が増えているとはいえ、やはり妊娠・出産のタイムリミットが近いこともあり、女性にとって30代はこの後の人生を左右する重要な時期である。どのライフコースにいたとしても、ライフコースが枝分かれしていく友人や周囲の人の変化を見て、「自分はこの生き方・働き方でいいのか?」と日々悩みながら過ごしている女性は多い。30代の代表的なライフコースは次の4つに分類できる(シングル=働く独身女性 / DINKS=共働き子なし夫婦の有職女性 / DEWKS=共働き子あり夫婦の有職女性 / 専業主婦)。

結婚 仕事
シングル × ×
DINKS ×
DEWKS
専業主婦 ×

30代女性は6クラスター

なお、30代の代表的なライフコースは先述の通り「シングル」「DINKS」「DEWKS」「専業主婦」であるが、詳しく分類すると、女性マーケティングを専門とする当社ウーマンズの分析では30代女性(中間層)は6クラスターに分類できる(詳細は「20~70代の中間層女性・富裕層女性のクラスター」を参照)。同じ30代でもクラスターによって価値観・消費傾向などは大きく異なるので、30代女性をターゲットにしている場合は、ぜひ6クラスターのチェックを。

 

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