体験型で巻き込んだヘルスケア企業の広告5選

キラリと光るヘルスケア企業の広告事例を全4回の連載でお届けするコーナー。第1回目の今回は「体験型で巻き込む、ヘルスケア企業の広告事例」。見せるだけ・読ませるだけのクリエイティブではもう振り向いてもらえない…と思っているなら、ぜひ参考に。これなら思わず見ちゃう!

新聞広告でAR体験(アース製薬)

まずは、テクノロジーを活用した今ドキの手法で、体験型広告を新聞に掲載したアース製薬の事例から。

同社は今月6月4日の「虫ケア用品の日」に、AR体験ができる新聞広告を全面掲載した(読売朝刊,朝日朝刊,日経夕刊)。感染症など虫による被害から健康を守るために「#虫ケアはヘルスケア」を紙面で呼びかけるとともに、二次元コードを掲載。読み込むと、身近に潜む危険な虫のリアルなARを体験できる。この体験を通じて虫ケア行動を喚起するのが狙い。

また広告掲載に合わせ、マンガ「キケンな虫の虫ケア図鑑」を制作。「身近に潜むキケンな虫」を集め、危険な虫の生態を紹介する特設サイトを公開した。

虫ケアはヘルスケア

【出典】アース製薬

 

新聞広告で迷路体験(フマキラー)

虫ケア用品業界からもう一つ、体験型の事例を見てみよう。アース製薬がハイテクな手法を採用した一方で、フマキラーはアナログ。

今年5月に同社が掲載した新聞広告は、庭を模した大迷路(朝日朝刊)。複雑な迷路を解いていくと大きなダニが出現するという仕掛けだ。アース製薬のAR体験のようなハイテク要素はないが、オフラインからオンラインへの誘導はもちろん忘れていない。迷路を解くヒントをHP内に掲載したり迷路の正解をツイッターで発表するなどして、オンラインと連動させた(以下ツイッター)

虫嫌いの人にとって巨大なダニの出現はきついものがあるが、昆虫好きの子どもや迷路好きの大人の受けは抜群のはず。ちなみに紙面の右上部には小さい文字で「虫が嫌いな人はムシしてください」と、虫嫌いな人への配慮も。

 

 

新聞の特性を活かした「なるほど!」な広告(味の素)

「健康なこころとからだ」の実現に向け健康づくりや食育に力を入れる味の素も、唸らせる広告を展開し続けている。事例を2つ見てみよう。前述のアース製薬とフマキラーは一人でも楽しめるものだが、以下の2事例は、家族や友人の巻き込みがマストのクリエイティブ。広告を通じて親子の絆を深めたり家族・友人で集うきっかけを提供している点も、参考になる。

新聞広告が、ままごとに変身

昨年3月に掲載した新聞広告「親子でつくろう『ペーパーままごと』(産経新聞)」は、新聞の特性を活かしたクリエイティブで、紙面上の食べ物をちぎったり丸めたりしながら親子でままごとを楽しめる。コロナ禍での掲載ということもあり、反響は良かったよう。次のコメントが同社へ寄せられたという。

・コロナ拡大で閉鎖的な生活を送っており、状況から心が荒みがちですが、前向きな明るい発想に、すばらしさを感じました

・コロナで皆がピリピリしていて、新聞を見ても恐ろしいような話題ばかりの中、新聞広告の「ペーパーままごと」を見て、ほっこりとした気分になれました。ありがとう引用:新聞データアーカイブ,日本新聞協会広告委員会

過去

【出典】味の素

 

新聞広告が、すごろくに変身

今年3月に掲載した新聞広告は、「おいしい健康100年すごろく(産経新聞)」。人生ゲームのような構成のすごろくで、各年齢で見られる特有の食行動や注意すべき食行動が、0歳〜100歳まで1歳刻みで記載されている。もちろん、すごろく内には同社の商品も登場する。各コマに書かれているのは例えば、

  • 【0歳】はじめての離乳食。たくさんの美味しさとの出会いが始まる
  • 【2歳】野菜の苦さに涙。でも「コンソメ(同社商品)」でおいしく食べられた
  • 【16歳】体型が気になるお年頃。無理なダイエットで栄養素が不足し体調をくずす
  • 【22歳】ひとり暮らしデビュー。「ほんだし(同社商品)」を使えばどんな料理もばっちり
  • 【33歳】食生活の乱れから、健康診断で要再検査に
  • 【35歳】共働きで、家事が大変。冷凍食品を上手に使い、時短レシピで切り抜ける
  • 【47歳】休肝日を設けて、肝臓を休ませる
  • 【62歳】塩分のとりすぎが気になる。「お塩控えめの・ほんだし(同社商品)」で食事を減塩することに
  • 【93歳】カルシウムが不足していたため、ちょっとつまづいただけで、骨折してしまい1回休み

このような内容が各コマに書かれている。ちなみにゴールは100歳。人生100年時代に合わせた設計だ。生涯の食と健康づくりについて、大人も子どもも精神的・時間的負担なくサクッと学べる、遊び心ある食育広告だ。特に参考になるのは、遊びゴゴロの要素が強い中に自社商品をさりげなく登場させている点。何歳になった時が各商品を使うタイミングなのか?を、さりげなく理解させる見せ方もうまい!

【出典】味の素

 

香りが漂うデジタルサイネージ(Atma/アルゼンチン)

最後に海外の事例を一つ。アルゼンチンの家電ブランドAtmaが実施した広告キャンペーンは、人々の好奇心をくすぐり瞬間的に広告に惹きつけた事例だ。

同社は、「オレンジ」「トースト」「クッキー」「コーヒー」の各映像に合わせてそれぞれの香りが発せられるデジタルサイネージを、ショッピングセンター内に設置した。

COVID-19の感染の疑いがある人に、感染症状の一つである「嗅覚の低下」を気づかせることを目的にしており、例えばオレンジの映像なら「このポスターから搾りたてのオレンジの香りがしない場合は、保健省に連絡してください」といったコピーが出現する。

このキャンペーンの様子は動画で公開されており、実際に足を止めた人々が広告の前でマスクを外し、香りを確認している姿が映っている。「広告から香りがするの…?」「私はちゃんと嗅覚が機能しているかしら?」と瞬時に振り向かせ自分ゴト化させた、見事な成功事例だ。

同社はコーヒーメーカーやパンメーカーなど、朝食の“香り”を楽しめる調理家電を販売していることから、”嗅覚”を起点にしたCOVID-19の感染対策キャンペーンを実施した。実際に動画を見てみよう。

 

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