ヘルスケア業界の最先端プロモーションは映画級 事例
ヘルスケア業界界隈で近年のプロモーショントレンドと言えば、多様な人種・年齢・体型の女性モデルの起用。こういったクリエィティブは女性たちからの反応が実に良く、この新たな成功法則に倣う企業が今続々と出てきている。この1〜2年ほどで顕著になってきた新潮流だが、さらに先を行く企業は、本格的なアニメ動画を制作しプロモーションに活用している。ストーリーは簡易的でも映像は本格的な短編ものから、映画級のクオリティに仕上げられた長編ものまで。ヘルスケア企業の事例はまだ少ないが、いずれもついつい見入ってしまう驚きの完成度。新たなプロモーショントレンドが生まれそうだ。
アニメ動画のプロモーション、3つの利点
アニメキャラクターとのコラボ商品やコラボ企画は、これまでにすでに多くの企業が取り入れてきた。スーパーやドラッグストア、コンビニなどの陳列棚で、アニメキャラクターがパッケージになっている商品を見かける機会は随分と増えた。
一方、動画プロモーションにアニメを採用する事例は(ありそうなのだが)まだそう無く、動画の場合、やはり人・物を主役にしたコンテンツが主流だ。
だが最近になり変化が。オリジナルの本格的なアニメ動画をブランドプロモーションに活用する動きがちらほらと見られるようになってきた。事例はかなり少ないが、グローバル系企業が先陣を切っている印象だ(編集部調べ)。SNSやネット上のコメントを見ると、視聴者の反応は良く好調の様子。受容性はかなり高そうだ。
アニメ動画を活用する利点は、次の3つが挙げられるだろう。
1.差別化
SNSなどを活用した画像・動画マーケティングは、すでに一般化。中小企業から大手まで、各社が簡単に画像・動画を制作・発信できるようになったため、クオリティの高低は別問題としても、コンテンツはどれも似たり寄ったりで同質化している。だが、まだ一般的ではないアニメ動画なら、他社のプロモーションとの差別化が容易に。目新しさから、女性たちの目を瞬時に惹きつけることができる。今後先アニメ動画が主流になったとしても、コンテンツやキャラクター次第で差別化は可能だろう。
2.限界のない世界観づくり
これはアニメの最大のメリットだろう。アニメなら撮影場所を選ばないので、登場人物の背景や世界観づくりが自由自在にできる。例えば宇宙を背景にすることもできるし、登場人物をタイムマシーンに乗せることだってできる。現実世界には存在しないような世界をいくらでも描き出せる。
3.最後まで視聴させる
Instagram、Twitter、YouTube、TikTok、テレビCMー。現代人は、あらゆるデバイスやアプリを通じて企業から広告(人・物)を強制的に見させられている。もちろん、アートスティックで美しい画像・動画は女性たちの心をワクワクさせ目を惹きつけることができるが、SNSの普及と爆発的な情報量の受け取りで、そのようなものを見慣れてしまっているのも正直なところ。そんな今の時代、企業が発信する映像を最後まで視聴させるのはもはや容易ではない。だがエンターテイメント性やストーリー性を感じさせるアニメ動画なら、つい引き込まれて最後まで見たくなってしまう。
アニメ動画のプロモーション、最新事例
アニメ動画をプロモーションに活用している最新事例を見てみよう。
初のアニメ動画シリーズ(SK-Ⅱ)
スキンケアブランドのSK-IIは今年3月、トップアスリートの実体験に基づくアニメ動画を公開した。プレッシャー、ルックス、ルールなどと戦ってきた女性アスリートたちの葛藤を描き出したストーリーで、6名が出演する6本の動画。ストーリーよりも引き込まれるのは、映像のクオリティ。ロボットも登場し、もはや映画級だ。(以下動画は6本のうちの2本。出演(上):卓球選手の石川佳純,(下)バドミントン選手の髙橋礼華・松友美佐紀)
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