マンモグラフィ受診の推奨年齢を「知らない」、女性8割
\10月はピンクリボン月間/
乳がん検診には、乳房エコー検査とマンモグラフィの2種類があり、40代以上の女性は2年に1回のマンモグラフィ(※)受診が日本では推奨されている。だがマンモグラフィによる乳がん検診の受診率は約44.6%と半数を下回っており、6〜7割に達する欧米諸国と比べ依然として低い。その背景を探ろうと、女性向け人間ドックを提供するクレアージュ東京レディースドッククリニックが調査を実施した。(※)マンモグラフィは、乳房を圧迫板で挟み薄く伸ばした状態で専用のX線撮影を行う検査で、触っても分かりにくい小さなしこりや、初期段階の微細な石灰化の発見を得意とする。マンモグラフィによる乳がん検診によって、乳がん死亡率を減らすことがわかっている。
女性8割が「マンモグラフィの推奨年齢を知らない」
調査は今年9月に、30〜60代の女性250人に実施。マンモグラフィの受診推奨年齢が40歳以上であることを知っているか尋ねたところ、「知っている」と回答したのは2割弱にとどまり、大多数が認知していな実態が明らかに。
女性4割が「マンモグラフィの受診経験なし」
続いて、受診推奨年齢にあたる40〜60代の女性190人にマンモグラフィの受診経験を聞いたところ、「受診経験なし」は44%で約半数近くに上った。
マンモグラフィを受診しない理由は「痛み」への不安
マンモグラフィの低い受診率は、前述した結果の通り推奨年齢を知っている人がそもそも少ない、といった低い認知が背景にあるとみられるが、「痛そう」というイメージが強く影響している可能性も。
「マンモグラフィを受診したことがない」と回答した女性に受診しない理由を尋ねたところ、「痛そうだから」が圧倒的トップで60%に上った。続いて「費用がかかるから」「乳房エコーで十分だと思うから」が続いた。費用面の懸念よりも、検査中に感じる痛みを不安に思う女性が多いことがわかった。
一方で、受診経験のある女性に実際の痛みの程度を聞いた質問では、58.8%が「我慢できる程度の痛み」と回答し、「我慢できないほどの痛み」は16.7%にとどまった。「マンモグラフィ=痛みを伴うもの」といった先入観が、受診機会を遠ざけている現状が浮き彫りとなった。
【編集部おすすめ記事】
■シンガポールのフェムテック企業「ファソムX」乳がん検診を改善するAIアシスタント
■新たな乳がん検診、医師とAIダブル読影で診断精度向上 慶應義塾大学予防医療センター
■ミルテル、乳がんリスク検査で「ハイリスク」女性に検診代1万円 早期発見に
■売れるフェムテックの「開発」と「販売戦略」 17の障壁と対策
■女性ヘルスケアビジネス戦略ハンドブック2025 市場全体像とマーケティング基本施策