女性アスリートの健康問題「三主徴」 顕著な競技とは?
女性の社会進出が認められるようになったのは、長い人類の歴史から見るとつい最近のこと。とは言っても、日本企業においては女性役職者の割合は未だに驚くほど少ないし、政治の世界でも女性議員の割合はわずか。この “男性優位” の価値観はスポーツの世界でも同様に見られ、実はオリンピック初開催時(1896年)は、男性のみが参加を許され女性は参加できなかった。女性が参加できるようになったのは第2回目(1900年)以降だが、全参加者のうちわずか2.2%(22人)だっという。以降、回数を経るごとに女性が参加できる競技数は増え、女性の参加者数は伸び続けている。女性もスポーツの分野で活躍できるようになったのは素晴らしいことだが、一方で女性アスリートならではの健康問題も。それが「女性アスリートの三主徴」。
「女性アスリートの三主徴」とは?
先日公表された男女共同三参画局白書平成30年版(内閣府)は、「スポーツ分野における女性の活躍」を特集。オリンピック・パラリンピックを中心とした女性アスリートの活躍の奇跡について記すと同時に、女性アスリートの健康管理上の問題点を挙げている。
近年指摘されているのが、「女性アスリートの三主徴」。継続的な激しい運動トレーニングが要因なって次のような状態を引き起こす。
- 摂食障害の有無によらない利用可能エネルギー不足
- 無月経
- 骨粗しょう症
これらが深刻化すれば選手生命が脅かされてしまうことにもなりかねないが、本当に怖いのは無月経を放置することで生活習慣病のリスクが上がったり、早発閉経や妊娠できなくなる可能性が出てくること、骨粗鬆による将来の寝たきりリスクなどだ。
特に注意すべき競技は「審美系」
日本産科婦人科学会等が行った調査によると、無月経や疲労骨折は新体操・体操、フィギュアスケートなどの「審美系」競技とのこと。以前、ファッションモデルの低体重や栄養不足が問題視されたが、この問題はスポーツ界においても体重管理が厳しい競技で多くみられるようだ。
ファッション業界では最近のプラスサイズモデルの登場に見られるように、美やモデルのダイバーシティ化が進み「痩せ至上主義」が世界的に薄まり始めたことで、モデルを目指す女性やモデルたちの健康状態は以前と比べると向上したと言えるが、スポーツの審美系競技においては体重管理が勝敗を左右する重要な要素になるため難しいところだ。女性アスリート数の増加に伴い、彼女たちの健康問題は浮き彫りになってきている。女性アスリートの健康問題の解決は急務だ。
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