処方薬の副作用に性差、経験率も関心も女性の方が高い結果に 医療用医薬品の意識調査
処方薬の副作用の経験者は男性より女性に多く、また、副作用に関心があるのも女性に多いことが、製薬協が20歳以上の男女2,000人を対象に実施した医療用医薬品に関する意識調査でわかった(製薬協「くすりと製薬産業に関する生活者意識調査」報告書,2025.2)。
副作用経験率は「男性<女性」「健康層<不健康層」
「処方された薬を飲んで、副作用と思われる症状を経験したことがあるか?」と聞いたところ、属性によって異なる結果となった。「ある(「時々ある」と「1〜2度ある」の計)」と回答した人の割合は、女性33.9%、男性24.8%で女性の方が高かった。女性の年代別では20代が最も高く44.4%。健康状態別では「健康層(23.1%)」より「不健康層(43.9%)」が高かった(本調査では自分の健康状態を「非常に健康」「まぁ健康」と自覚している人を「健康層」、「健康に不安がある」「持病などがあり健康ではない」と自覚している人を「不健康層」と定義)。
副作用を気にするのは「男性<女性」
処方薬の副作用を気にするのも、女性の方が多い。「処方された薬を飲むとき、副作用のことをどの程度気にかけるか?」と聞いたところ、「気にしている(「非常に気にしている」と「まぁ気にしている」の計)」と回答した人は、女性は56%と半数以上に上った一方で、男性は39.6%だった。女性の年代別では70代以上が最も高く58.7%。また、「健康層(43.7%)」より「不健康層(57.9%)」が高く、「副作用の未経験者(35.1%)」より「副作用の経験者(79%)」が高い結果となった。
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