処方薬の副作用の経験率は女性が高く、副作用を気にするのも女性 医療用医薬品の意識調査
処方薬の副作用を経験したことがあるのは男性より女性に多く、また、副作用に関心があるのも女性に多い。製薬協が20〜70歳以上の男女2,424人を対象に実施した、医療用医薬品に関する意識調査でわかった(製薬協「くすりと製薬産業に関する生活者意識調査」報告書,2022.11)。
副作用の経験率、女性31%・男性23%
「処方された薬を飲んで、副作用と思われる症状を経験したことがあるか?」と聞いたところ、属性によって異なる結果となった。「ある(「時々ある」と「1〜2度ある」の計)」と回答した人の割合は、性別では女性が男性より高く、女性の年代別では20代が最も高く、健康状態別では健康層より不健康層が高いことがわかった(本調査では自分の健康状態を「非常に健康」「まぁ健康」と自覚している人を「健康層」、「健康に不安がある」「持病などがあり健康ではない」と自覚している人を「不健康層」と定義)。
「副作用を医師に相談した」、女性63%・男性52%
続いて聞いた「副作用と思われる症状を経験したときに、医師や薬剤師に相談したか?」の回答でも、顕著な性差と年齢差が見られた。女性は全年代において医師に相談した人の割合が5割を超えていたが、男性は50代・60代・70代以上の中高年層のみが半数を超えた。70代以上においては、男女ともに8割が医師に相談していることがわかった。薬剤師に相談した人は男女ともに2割前後。また、不健康層より健康層が、かかりつけ薬局がない人よりもある人の方が、医師・薬剤師に相談する傾向が強いこともわかった。
「副作用を気にする」、 女性56%・男性43%
処方薬の副作用を気にするのも、女性の方が多い。「処方された薬を飲むとき、副作用のことをどの程度気にかけるか?」と聞いたところ、「気にしている(「非常に気にしている」と「まぁ気にしている」の計)」と回答した人の割合は男性より女性が高く、男女ともに70代以上で高く、健康層より不健康層が高い結果に。また、副作用の経験の有無によっても異なり、未経験者よりも経験者の方が気にする人の割合が高かった。
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