経産省によるPHRサービスの実証事業「日常生活におけるPHRを活用したユースケース創出に向けた実証調査事業」の採択結果が公表された。生活者のニーズに即したPHRサービスの開発や、持続的な利益創出につながるビジネスモデルの構築、PHRサービスの認知向上を異業種企業間の連携を通じ目指す実証事業で、７テーマが採択された。

国民皆保険制度が充実する日本では、健康維持・増進・予防のために個人が費用負担してヘルスケアサービスを利用するケースは少なく、現状、ライフログ等のPHRサービスのビジネスモデルは、健康経営に取り組む事業者や健康保険組合、自治体向けが大半で、PHRサービスの普及や市場拡大は発展途上の段階にある。同実証事業は、生活に密着したサービスとPHRを組み合わせることで個々に最適なサービスを提供し、ヘルスケア産業の裾野拡大に繋げるのが狙いで、以下３点を目標としている。

■異業種連携を通じた、生活者のニーズに即した多様なPHRサービスの創出
・生活者が継続してPHRサービスを使うための動機づけ
・サービス利用開始時や利用継続における負担の軽減（例：新しいスマホアプリのインストールやデータ入力の手間等）
・パートナー事業者の業務プロセスの変更に伴う負荷の軽減

■持続的な利益創出につながるビジネスモデルの構築
・特にマネタイズの可能性が高い、BtoBtoCとBtoPtoCにおけるPHRサービスの立ち上げ

■PHRサービスの認知度向上
・創出した事例の各種媒体を通じたPRなど、社会的認知度の向上

目標の実現に向け同実証事業では、生活者にとって身近な健康づくりの場となる食事、睡眠、運動、美容などの領域に関連した事業者がPHRを活用する。健康に関心のない生活者や、自身の健康不安がある生活者に向けてもPHRサービスを提供し、サービス普及とマネタイズの実現可能性を検証する。

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