病院の満足度や診察時間、自覚症状はなかったが受診した理由などを明らかに 受療行動調査

厚生労働省は今月14日、「2023年の受療行動調査(確定数)」を公表した。医療施設を利用する患者を対象に、医療を受けた時の状況や満足度などを聞く調査で、3年ごとに実施している。

調査は2023年に実施。全国488の医療機関の入院・外来患者10万3,630人が回答した。外来患者には、診察までの待ち時間、診察時間、来院の目的、初めて医師に診てもらったときの自覚症状、医師から受けた説明の程度、病院を選んだ理由、満足度などを質問。入院患者には、病院を選んだ理由、入院までの期間、医師から受けた説明の程度、今後の治療・療養の希望、退院の許可が出た場合の自宅療養の見通し、満足度などを聞いた。

医師や病院スタッフに対する全体的な満足度は、外来患者よりも入院患者で高い傾向にあり7割近くが満足しているが、一方で入院患者は「食事の内容」に対する評価は低く、満足している人は45.5%と半数を切った。外来患者で満足度が最も低かったのは「診察までの待ち時間」で、満足している人は32.1%にとどまった。「診察時間」に満足している人も少なく、45.4%だった。診察時間は傷病によって差が見られ、「5分未満」の割合が特に高いのは、「腎尿路生殖器系の疾患(34.3%)」「損傷・中毒及びその他の外因の影響(31.9%)」。一方で「30分以上」は「消化器系の疾患(8.9%)」「精神及び行動の障害(6.7%)」で高くなっている。

【出典】厚生労働省「令和5(2023)年受療行動調査(確定数)の概況」

 

外来患者が、「自覚症状はないが受診した理由」の最多は、「健康診断で指摘された」で45.2%。年次推移を見ると上昇傾向にある。

【出典】厚生労働省「令和5(2023)年受療行動調査(確定数)の概況」

 

 

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