メンタル不調による生産性損失は7.6兆円、女性20〜30代の対策の必要性を指摘 横浜市立大・産医大
「気分が沈む」「眠れない」などのメンタルヘルス不調を抱えながら仕事を続けることで、経済的な損失は年間でおよそ7.6兆円に上るとの研究報告を、横浜市立大学大学院国際マネジメント研究科と産業医科大学産業生態科学研究所が発表した。
約2.7万人の労働者のデータから試算したもので、出勤しているものの心身の不調により通常のパフォーマンスが発揮できない「プレゼンティーズム」による損失額は年約7.3兆円、病気やメンタル不調で仕事を欠勤する「アブセンティーズム」による損失額は0.3兆円と試算。損失額の合計は、65歳未満の精神疾患にかかる医療費約1.1兆円の7倍に相当する。
成果を踏まえ研究グループは、「メンタルヘルス対策が単なる個人支援や医療の問題ではなく、経済政策や労働施策における重要な課題であることを強く示唆している」とコメント。「メンタル不調を早期に発見する取り組みや、不調を改善するための支援策に対する科学的な有効性検証が求めらる」と指摘。また研究では、20〜30代の女性で特に有症状の報告割合が高いことが明らかになったことから、その対策の必要性にも言及した。
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