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通える歯科、いつまで残る 医師数減少が示す地域医療の岐路

Tags: #医療
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町の歯科医院を支えてきたベテランの院長たちが、静かに現場を去り始めている。厚生労働省の最新統計が示した歯科医師数の減少は、私たちが当たり前だと思っていた「いつでも通える歯科医療」の維持が、曲がり角に来ていることを物語っている。担い手が減り、女性医師の比率が高まる中で、地域の歯科医療はどう変わっていくのか。データから読み取れる構造変化のポイントを整理した。

■歯科医療、構造転換へ
厚労省が公表した今回の統計結果は、歯科医療業界が静かながらも確実な構造変化のただ中にあることを示した。歯科業界がかつての右肩上がりの拡大期を終え、人口減少・高齢化社会に適合した再編期に入ったことを示している。

■「数」の減少と「質」の変化
歯科医師の総数が減少フェーズに入ったことは、業界にとって大きなトピックといえる。これまで懸念されてきた過剰問題は、団塊世代などの引退に伴う自然減によって新たな段階を迎えつつある。とはいえ、単なる需給の適正化と捉えるのは早計だ。必要な地域から担い手が消え、医療インフラそのものが維持できなくなるリスクを同時にはらんでいる。町の歯科クリニックを支える院長層の多くが還暦を超えた。今後、事業承継や閉院の波が押し寄せることは避けられそうにない。若手歯科医師が減少傾向にある中、AIを活用した診断支援や、業務効率化のためのツール導入は、単なる利便性向上の手段から、限られたリソースで現場を回すための必須インフラへと役割を変える可能性がある。

■女性歯科医師の台頭と働き方の多様化
男性が大幅に減少する中で、前回比増となった女性歯科医師は、数少ない成長エンジンだ。特に29歳以下の若手層に限れば、女性の比率はさらに高まる。この変化は、従来の長時間労働・一人開業医モデルからの脱却の一端と捉えることもできそうだ。育児や介護と両立しやすい勤務体系を持つ医療法人や、パートタイム勤務の環境整備が進むドラッグストア併設型クリニックなど、柔軟な働き方ができる職場のニーズは高まっており、女性の視点を取り入れた職場環境の整備がいっそう求められる。

■都市部集中と「かかりつけ機能」の再定義
東京と地方で2倍近い格差があるなど、地域ごとの偏在は、解消の兆しが見えない。地方では通える範囲に歯科がないという空白地域の拡大が懸念されている。解決には、オンライン診療や訪問歯科診療の強化が欠かせない。特に高齢化が進む地方自治体にとって、口腔ケアは医療費の削減に直結する。歯科医師が常駐していなくても口腔管理を続けられる仕組みづくりが期待されている。

 

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