高齢者の労災防止へ新指針 体力や健康状態に応じた個別対応求める 厚労省
厚生労働省は10日、改正労働安全衛生法に基づく「高年齢者の労働災害防止のための指針」を公示した。4月1日から適用される。60歳以上の労働災害が増加傾向にある中、加齢に伴う身体機能の変化を踏まえた職場環境の整備や作業管理を事業者の努力義務として体系的に示した。
指針では、筋力やバランス能力、視力、認知機能の低下といった加齢に伴う変化を前提に、高齢者一人一人の健康状態や体力に応じた職場環境の改善と作業内容の見直しを事業者に求めている。職場環境改善の具体例は多岐にわたる。
- 通路を含む作業場所の照度確保や、照度が極端に変化する場所の解消
- 階段への手すり設置、通路の段差解消、床面への防滑素材の採用
- 警報音を聞き取りやすい中低音域への変更
- 涼しい休憩場所の整備やウェアラブル端末による熱中症の早期把握
- リフトやアシストスーツなど身体負荷を軽減する機器の導入
- パソコン画面の文字サイズ調整など情報機器作業への配慮
作業管理では、短時間・隔日勤務など柔軟な勤務形態の工夫や、ゆとりある作業スピードを前提としたマニュアルの策定を促している。体力チェックについても、フレイルチェックや転倒リスクの身体機能セルフチェックなどを継続的に実施し、事業者・労働者の双方が体力の状況を客観的に把握するよう求めた。ただし、チェック結果が労働者個人への不利益な取り扱いにつながらないよう、情報の取り扱い手続きを労使で定める必要があるとした。脳・心臓疾患リスクが加齢とともに高まることから、基礎疾患の状況に応じた労働時間の短縮や深夜業の削減といった措置も講じるよう示した。
指針は、加齢に伴い個人差が広がる高齢者の健康・体力の状況に応じ、一人一人に合った業務や働き方を整える発想を職場に根付かせる狙いがある。
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