ガム噛み習慣で、年間52億円の介護費を抑制
\6月4日~10日は「歯と口の健康週間」/
2025年の「国民皆歯科健診制度」の導入に向けた検討や、主要3学会によるオーラルフレイルのチェックリスト公開(詳細)、企業各社による口腔ケア製品の開発など、口腔ケア市場が賑わっている。口腔ケアと全身のさまざまな病気との関連が明らかになってきたことが背景にあり、とりわけ高齢者の口腔ケアが、介護予防の視点から啓発されている。その重要性を説こうと、ロッテが興味深い視点から経済インパクトを試算した。
同社は先月、高齢者が週30分以上のガム噛みを習慣化することで、年間約52億円の介護費を抑制できる効果があるとの試算を発表した(推計はみずほリサーチ&テクノロジーズが協力)。ガム噛み習慣によるオーラルフレイル減少率やオーラルフレイル回避による要介護減少率、一人当たりの介護費、ガム噛み習慣を有している65歳以上対象人口などを算出し推計した。
ロッテが東京大学高齢社会総合研究機構のグループと共同で行った研究では、ガムを噛む習慣のある65歳以上の高齢者は、ガムを噛む習慣のない高齢者と比較し、オーラルフレイルの割合が約4割少ないことがわかっている。握力・バランス能力等の身体機能や認知機能も有意に高いことが明らかになっており、ガム噛み習慣の促進によって、オーラルフレイルや身体的フレイルの予防に役立つ可能性を示唆している。研究結果は、国際科学誌「Geriatrics & Gerontology International (2024年)」に掲載された。
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