更年期のホットフラッシュによる負担、デジタル認知行動療法で軽減
\10月18日は世界メノポーズデー/
ホットフラッシュ対策として、デジタルヘルスが新たな選択肢になるかもしれない。スイスの研究グループが、更年期女性を対象に、認知行動療法を取り入れたデジタルアプリの効果を検証したところ、ホットフラッシュや寝汗による負担が有意に軽減した。症状そのものの発生頻度には統計的に有意な差が見られなかったものの、日常生活への負担を軽減できる可能性が示された。
デジタル認知行動療法と更年期症状を検証
スイス・ベルン大学病院のPetra Stute氏らの研究グループは、デジタル認知行動療法アプリを通常ケアに追加することで、更年期女性のホットフラッシュや寝汗による負担が、通常ケアのみの場合と比べて有意に改善することを明らかにした。研究成果は、今年10月、国際学術誌『Maturitas』に掲載された。
更年期症状のある女性100人を調査
更年期には、ホットフラッシュや寝汗などの症状が現れ、日常生活に負担を感じる女性も少なくない。薬物療法以外の方法として、スマートフォンのアプリを通じて取り組める認知行動療法が注目されているが、こうしたアプリが更年期症状による負担の軽減にどの程度役立つのか、さらなる検証が求められていた。そこで研究グループは、症状の受け止め方や行動を見直し、症状への対処を支援する「認知行動療法」に着目。スマートフォンのアプリを通じて認知行動療法に取り組めるようにした「デジタル認知行動療法」が、更年期症状の改善につながるかを調べた。
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対象は、ホットフラッシュや寝汗による負担が大きい、更年期移行期または閉経後の40~65歳の女性100人。参加者100人を、次の2グループに分けて12週間比較した。
- 通常ケア群49人
通常のケア(生活習慣の工夫、既に処方されていた非ホルモン療法の薬など)のみ - アプリ利用群51人
通常のケアに加え、アプリを通じたデジタル認知行動療法を利用
アプリ上では、症状についての知識を学ぶほか、症状に対する考え方を見直す、リラクゼーションを行う、睡眠や生活習慣を整えるといった取り組みを実施。ホットフラッシュや寝汗による負担を主な評価項目とし、睡眠や更年期症状全体、ストレスへの影響についても調べた。
デジタル認知行動療法で更年期症状が改善
その結果、アプリを通じてデジタル認知行動療法に取り組んだ女性では、通常のケアのみを受けた女性と比べて、ホットフラッシュや寝汗による負担が有意に改善した。12週間後、ホットフラッシュや寝汗による負担を評価する尺度で、開始時と比べて2点以上改善した女性の割合を、判定に必要なデータがそろった人を対象に集計したところ、アプリ利用群で約71%(29人/41人)、通常ケア群で約30%(13人/44人)だった。また、更年期症状全体の負担や不眠の重症度についても、アプリ利用群で改善がみられた。一方、ホットフラッシュや寝汗の発生頻度については、両群の間に統計学的に有意な差は認められなかった。
更年期症状への新たな選択肢に
研究グループは、デジタル認知行動療法によってホットフラッシュや寝汗による負担、更年期症状全体、不眠などの改善がみられたことから、更年期症状に対する非薬物療法の選択肢として有用である可能性を示した。一方、介入群のうち、一定の利用基準を満たした女性は約6割にとどまり、また、症状の評価が本人の申告に基づくことから、さらなる検証が必要としている。
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