2030年の消費生活はこうなる、キーワードは「健康」「自律性」「倫理」「効率性・利便性」
人口減少社会、鈍化する経済成長、気候変動による気温上昇ーー。日本を待ち受ける未来は暗い話ばかりだが、AIの急速な発展をはじめとしたsociety5.0の実現で、誰もが先進テクノロジーの恩恵を受けられる明るい時代は、もう目前だ。それに伴い人々の消費スタイルは大きく変化するものとみられ、2030〜2040年を見据えた消費者研究が各所で進められている。消費者庁が今年4月に公開した調査報告書「The Future of Consumer Lifestyle」も、その一つ。消費生活の未来予想に関する国内外の情報をデスクトップリサーチで分析し、今後10年に起きる未来の消費トレンドを以下4つの視点で整理した。
■健康に価値を置く消費
人生100年時代の到来により、2030年は健康に価値を置く消費行動がより一層活発になっていくことが予想される。キーワードは以下。
- 完全食、クイックフーズ等の浸透
- ウェアラブルデバイスの進化
- 感情認識センサーを用いたメンタルヘルスケアの普及
- 3Dプリンターによる医療の革新的進歩
■自律性に価値を置く消費
AIやロボットに消費行動を委ねるスタイルが広がる一方で、各消費者が自らのこだわりを追及する消費スタイルが広がる。
- マスカスタマイゼーション時代の到来
- エゴイスティック・エコノミーの普及
- 自らものづくりを行う「メイカーズ」の広まり
- 消費者主導のプライバシーデータマネジメント
■持続可能性・倫理に価値を置く消費
気候変動に対する危機感の高まりや、社会的課題への関心の向上により、人・社会・環境に配慮した消費行動がより浸透していく。
- サーキュラーエコノミーの普及
- 3Dプリンターによる製品修理が普及
- 植物性食品、昆虫食品市場の拡大
- ブロックチェーン技術によるトレーサビリティ向上
■効率性・利便性に価値を置く消費
AIやロボットの普及・高度化によって、消費者が時間・労力をかけることなく必要な商品やサービスが効率的・他律的に発見・提供されるような、利便性の高い消費スタイルが普及していく。
- オケージョン=状況最適のレコメンデーション
- フリクションレス=煩わしさのない購買体験
- ロボタクシー、無人バス、AIカー等の普及
- 無機物による社会規範の維持・管理
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